フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫 ウ 16-6)
フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫 ウ 16-6) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ウィンズロウは実に久しぶりだが、以前に読んだ『犬の力』などに比べると、さらにエンターテインメント性が強いように思われる。もっとも、元マフィアの殺し屋といった、このハードボイルド小説の主人公が62歳というのは、読者共感性においてどうなのだろうと懸念したりもするのだが。上巻では、フランキー・マシーンの出発点を描く過去の時世と、その世界から引退したはずの彼のところに突然やって来る刺客という現在時とが描かれる。展開はスピーディであり、背景世界の定位も適格だが、登場人物が多いことがやや物語を煩雑にしているだろう。
2022/05/07
ずっきん
【ドン・ウィンズロウ再読祭り開催中】みんなに愛される釣り餌屋のフランク。彼は伝説の殺し屋でもある。が、上巻300ページ使ってまだ伝説の逸話に辿り着かない。史実の絡め方が駆け足過ぎてかえって冗長、しかもその辺の登場人物が多いために混乱する。そもそもイタリア人ときたら、同じような名前が多すぎ。頭に『ト』と『ジョ』がつく登場人物は二人までにしてくださいよー、というふうに、まっことストレスフルに背景を把握していくのだが、ときには忍耐が必要とされる読書もある。これを越えることができた勇者に、物語の天国が待っている。
2020/05/17
Panzer Leader
引退後の生活を謳歌していた伝説の元マフィアのフランキー。仕事でも遊びでもこだわりを持ちつつも自分流に過ごしている場面を綴るのんびりとした導入部から、突然命を狙われる展開に。老いたりとはいえそこは元凄腕のフランキー、敵方の攻撃をかわしながら、なぜ狙われるか己の過去の半生を振り返りはじめたところで上巻は終わる。心にずんと響く「犬の力」の後だけにエンターテイメントに徹した作品。
2019/09/12
harass
ダフォースに改めて感心しこの作家の作品を追うことにする。適当に見つけたこの作品を手に取る。元マフィアの殺し屋として名を馳せていた主人公はもう60に。すっかり足を洗ったはずが突然に命を狙われる。 彼を狙うのは誰かと自問自答しつつ、彼の殺し屋としての過去を振り返っていく。実にマメで実務に長ける主人公の細々とした配慮や仕事っぷりの描写にいろいろ感心しつつ、軽く読めるのが好ましい。ページターナーぶりに唸りつつ上巻を読み終える。
2019/03/03
猿吉君
フランクのかっこ良さが凄すぎて男なのに惚れてしまいまして感想は下巻へ!
2020/11/12
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