パズル・パレス 下 (角川文庫)
パズル・パレス 下 (角川文庫) / 感想・レビュー
mariya926
うーん。ダン・ブラウンの本はかなり読んでいますが、展開が似すぎています(笑)主人公はいつも怪我をおって死にそうになるけれども死なない。しかもその状況で黒幕を倒す…この展開は見え見えになってきています。そう思いつつ読みましたが、この本がデビュー作なので、この本から後の本がこの本の影響を受けているのですね。今回は暗号を探すために走り回る大学教授(この部分も同じですね笑)ロスト・シンボルも読もうと思っていますが、同じ展開でないことを願います。
2021/06/26
nobby
文庫にて再読。上巻後半から漂っていた胡散臭さのままに、ストレートに手に汗握る展開が心地よい。相変わらずスペイン編での活劇はちょっと超人過ぎ(笑)WEB上での情報管理セキュリティについて、専門的な理解は曖昧だったが、それでも国家機密が誰にでも簡単に漏洩する危機へのカウントダウンを充分に実感出来る。崩壊回避に向けてパスコードを解読していくのに、エニグマやシーザーなど登場する様子にはワクワクが止まらない。最終的なパス・キー判明に向けての考察は難解だが、幾つもの伏線が集約されていたことに気付くと唸らされるばかり。
2018/05/09
absinthe
随分と無理のある話だが、話は最後まで引きつけられた。飽きないしダレない。崩壊していくNSAの威信をかけたコンピュータの描写が凄い。きっと管理社会を目指した最後の支配者が、体制が、崩壊していく暗喩でもあるのだろう。 オススメまではしないけど、absintheは満足した。 --- これは暗号を完全に管理しようとした米国の姿の暗喩としては面白い話でもある。米国は全ての暗号に政府が解読できる鍵を埋め込もうとしなのは事実だ。恐怖が克服された後に書かれた本だが、予言として書かれたならもっと価値があったろう。
2016/01/26
ntahima
マッチョとは言えない大学教授と聡明な美女が繰り広げる‘巻き込まれ型宝探し双六’。主人公を追っかけながら追いつけず徒に殺人を繰り返すばかりの謎の殺し屋。良くも悪くも『ダ・ヴィンチ・コード』の原型がここにある。但し、ヒ―ロ―とヒロインはスペインとアメリカに別れて活躍し『天使と悪魔』以降のラングドン・シリーズに見られるような御手手つないで名所旧跡回りの趣向はまだ見られない。ダン・ブラウンと言えばやや陰謀史観気味の蘊蓄が持ち味であり、本作でもNSAと暗号についての蘊蓄を大いに期待したが竜頭蛇尾に終わってしまった。
2011/08/21
みき
あまりの面白さに上下巻を一気読みしてしまった。著者のデビュー作だけあってちょっと読みづらいなーと思うところもあるが普通に面白い。特に下巻の最後の半分は非常にスピード感があり目が離せない展開だった。テーマは国家が民間人の通信を秘密裏に傍聴することは許されるのか、許されるとしたら国家を誰が管理監督をするのかということ。社会の安全と引き換えに自分たちのプライバシーをどこまで犠牲にできるのか、今も現在進行形で議論が重ねられているテーマについて数十年前に気づいていたことに驚きを隠せない。再読必至の本。
2024/08/28
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