きょうも上天気 SF短編傑作選 (角川文庫 ア 100-1)
きょうも上天気 SF短編傑作選 (角川文庫 ア 100-1) / 感想・レビュー
KAZOO
浅倉久志という名前はいくつか読んだ本で覚えていましたがSFの分野では有名な翻訳者だったのですね。ここにはその訳された9編の短編が収められていて読みやすい気がしました。「オメラスから歩み去る人々」でインパクトを受け、「ひる」は星新一の「おーい、でてこい」をなぜか思い浮かべました。またこの本の表題作はかなり不気味な感じを受けました。どれも印象に残りました。
2019/10/08
sin
海外ではハインライン、日本では小松左京が僕の好きなSF作家だった。忘れていたけど翻訳家の浅倉久志は、そのころからずっとかわらず僕の好きな作家?(翻訳家だけど作家!)だったんだ。その当時親しんだ作家たちが次々と鬼籍に入っていかれる 合掌
2012/02/23
空猫
'10年に逝去された翻訳家、浅倉久志氏が訳したSF作品から大森望氏が選りすぐりを編んだ一冊、なぞ面白くない訳はない‼『ひる』は「風船怪獣バルンガ」、『きょうも上天気』は「うる星やつら」に、他にも数多くの作品に影響を与えた作品ばかり。核戦争、人口の爆発的増加、食料不足、ユートピア、タイムトラベル…この時代のSF作品って雰囲気も好みだったり(^^)『空飛ぶヴァルプラ』『明日も明日もその明日も』状況は恐いのにどこかコミカルで楽しい。掲載しきれなかった他の作品が解説で多々紹介されているのでまずそれから読もうかな。
2018/05/09
Mc6ρ助
「だいたい夫が先に死ぬ」から、ル・グゥインの「オメラスから歩み去る人々」を読む。最大多数の最大幸福の対立概念が最小少数の最大不幸であるかは疑問の余地(最小少数の最少不幸じゃね?)がありそうだけど、マイノリティを数が少ないからと無視する、過小評価する危険性は充分に伝わる。民主主義は多数決ではないことを肝に銘じなければならない(のは我々ではなく、投票者数の多数を得たと国会での議論を軽視、閣議でなんでも決めてしまうあなたたちだよ。議事録も残さないし・・)。
2024/05/01
ニミッツクラス
10年の本体629円の初版を読んだ。朝倉氏追悼大森氏編で、朝倉氏訳の9編を収録。カバーも頁数も良い。大御所の有名作品に加え、ワイマン・グイン、ビクスビイやアレステアでない方のレナルズ、ムーアなど短編に味のある作家の作品を編んだ。レナルズはもう一編載せて欲しかったが…朝倉訳は本作だけのようだ。表題作とル・グィンの「オメラス…」は多数対一人の、先ずは設定ありきの問答無用の構図ながら、その対極的な内容に心打つ(感動とも違う)ものがある。バラードのコーラルDはヴァーミリオン・サンズ物の金字塔的一編。★★★★★☆
2017/11/01
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