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BRAIN VALLEY 上 (角川文庫 せ 4-1)

BRAIN VALLEY 上 (角川文庫 せ 4-1)

BRAIN VALLEY 上 (角川文庫 せ 4-1)

作家
瀬名秀明
出版社
KADOKAWA
発売日
2000-12-01
ISBN
9784043405022
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BRAIN VALLEY 上 (角川文庫 せ 4-1) / 感想・レビュー

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absinthe

人間の脳と知能について、あらゆる観点から見つめ直す大作。瀬名さんらしく考証はとてつもない時間を掛けていそう。ブレインヴァレという巨大な脳科学の研究所に主人公が赴任して…研究所内の謎に迫っていくお話。霊長類の中の人類、機械の知能と人類、テーマは盛りだくさん。出だしの未知との遭遇みたいな始まりも秀逸。また、謎の女性の存在と主人公には明かされない謎の研究テーマが読者を引き付ける。でも、ちょっと考証に力を掛けすぎて緻密すぎるのでは?もう少し力を抜いて遊びの要素も欲しかった。下巻へ…

けい

瀬名さんらしく正に「脳」について書かれる作品。上巻のほとんどが脳のメカニズムの解説に割かれている状態です。脳内のシナプスと情報伝達物質、脳の見せる幻覚、記憶のメカニズム。専門用語の連発ですが、読んで行く内に大分慣れてきます。瀬名さんの徹底したこだわりも、好感を持って読む事が出来ました。上巻では孝岡が自己の脳に起こった変化をようやく理解。ブレインテック所長である北川の真の狙いは?といった所、登場人物それぞれが抱える負の部分を下巻でどの様に収束させるのか楽しみです。

2014/07/26

あも

人の意識とは、神の存在とは一体何か。脳科学研究者の孝岡は特殊な神経伝達物質の受容体を特定したことで、ブレインテックという研究所に勤めることに。辺鄙な山奥に作られた最新鋭の研究所で密かに進められていた"オメガ・プロジェクト"とは。脳科学に留まらず、宗教、アーティフィシャル・ライフ、チンパンジーの言語能力と感情を絡め、ひいてはヒトという存在そのものの根源に迫る壮大で難解な物語。前半は特に科学の解説本を読んでいるような専門用語満載で、とにかく疲れる。もはやないとは思うが、文章よりも映像で見てみたかった話の一つ。

2008/08/23

Tetchy

とにかく色んな要素が詰まった作品。民間伝承、エイリアンによる誘拐体験、さらには臨死体験からサイバースペース内で培養される人工生命へ、そして動物とのコミュニケーションの確立と、理系、文系、そして超常現象、動物行動学とおよそ交わることのないエッセンスが並行に、時に交錯して語られる。私はこの物語は一体どこへ向かおうとしているのか、非常に不安でならなかった。ホラーとして超常現象をあるがままに受け止めるべきか、それともミステリとして合理的解決されるべきとして読み進むべきか、立脚点に非常に悩まされた。

2010/03/31

ヤギ郎

瀬名秀明による脳科学とアブダクション(宇宙人による誘拐)と幽体離脱を掛け合わせたSF小説。脳についての説明が多くて、読書に集中できなかったところもあった。本書は小説である。しかし、物語の根底には先行研究にもとづいた科学やオカルトネタがある。これによって、物語のリアリティを強くしているのはいうまでもない。「ブレインテック」は山奥にひっそりと構えた研究所だ。脳(Brain)を研究する谷(Valley)へようこそ。下巻へ続く。

2020/04/11

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