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たんば色の覚書 私たちの日常 (角川文庫 へ 3-12)

たんば色の覚書 私たちの日常 (角川文庫 へ 3-12)

たんば色の覚書 私たちの日常 (角川文庫 へ 3-12)

作家
辺見庸
西方 久
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2011-06-23
ISBN
9784043417131
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たんば色の覚書 私たちの日常 (角川文庫 へ 3-12) / 感想・レビュー

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ミサ

群れずに淡々と社会のすさみを言語化する。自分にも向ける厳しい眼差し。目障りなものを排除せず深く潜り目を凝らす。世界の有り様に心を痛めても、単独者として他人に対して開いている。愛と孤独、私のテーマであり理想。辺見庸がいるだけで、もう少し生きていようと思える。『もの食う人びと』が一番有名だけど、私の好きな辺見庸がぎゅっと詰まってるのはこの本。特に「私の痛さが遠い他者の痛さにめげずに近づこうとするとき、おそらく想像力の射程だけが異なった痛みに架橋していくただひとつのよすがなのである」という一文が好き!

2021/05/14

きんちゃん

 著者は書く。「人を人とも思わない酷薄無情な色は、騒々しい赤でも、黒でも、猥雑な黃でもなく、沈着冷静な青ではないか。この清冽な青こそが人を正気で殺す色ではないか」と、青色にかけて、我々の日常に潜む他者の痛みを想像し得ない社会、個人の無意識の風景を書く。「私たちはいま、他者の痛みにまで届く想像力の射程をもちえているでしょうか。」という著者の言葉が胸を打つ。

2014/02/26

魚53

本当は薄々気づいているのに、焦点を合わせようとしないから無かったことにされている物事に焦点を合わせさせてくれる本。社会のシステムの中で疑問を持つこともなく流されてしまうことは多く、危機はそこここにある。もっと日常をよく見た方がよい。ちょっとした違和感を大切にしたいと思う。

2023/03/10

クッシー

明日会社が出勤か休みなのかわからない、心の不安定な状態で読んだ本(結局朝の4時に出社する旨のメールが来た)。そんな事はどうでもいい。この本は日本の死刑制度について論じている。皆さんご存知だろうが、日本では当日になって死刑執行が言い渡される。死刑囚はいつ行われるかわからない死刑に怯えながら、暮らしている。その心境はいかに。おそらく想像を絶するものなのだろう。だが僕らはそんな事に想いを馳せる事なく生きている。日常は既に狂っているのだ。当たり前は当たり前では無いということを著者にはいつも気付かされる。

2021/11/04

踊る猫

ニルヴァーナのアンプラグド盤を聴きながら読む。石原吉郎という詩人について興味を惹かれた。いずれ読んでみよう。さて肝腎の内容なのだけれど、相変わらず全編に漂う詩的なレトリックの臭みに辟易し、文句というかツッコミを言いながらも読まされてしまい、あれこれ考え込まされた。多分辺見氏のファンってこういう「面倒臭い」人が多いんじゃないかな。今で言えば安倍は論外だけれど SEALDs に代表されるものもちょっとなあ……っていう。そういう人が読めば面白く読めるのではないか。安保法案が可決された日を記念し読んだことを留める

2015/09/17

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