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私立探偵・麻生龍太郎 (角川文庫)

私立探偵・麻生龍太郎 (角川文庫)

私立探偵・麻生龍太郎 (角川文庫)

作家
柴田よしき
出版社
KADOKAWA
発売日
2011-09-23
ISBN
9784043428106
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私立探偵・麻生龍太郎 (角川文庫) / 感想・レビュー

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Kei

正確には、再読。確かRikoシリーズからの派生。まるで古びていない。立派な推理小説の横軸に、考えてみれば、昨今のLGBTの先駆け。安易なボーイズラブではなく、人が人を愛す真摯な想いを真正面から。私は、性的には全くのヘテロだが、女子高育ちなので、気持ちは、とてもよくわかる。人を好きになるって、男とか女とかではない、人として、が一番。タブーはいらない。もちろん、縦軸の解決する4つの事件も、それぞれに切なく、読後、やるせなくなります。

2021/07/18

GAKU

警察を辞め私立探偵になってからの、麻生龍太郎の連作ミステリ短編集。麻生との大きな絡みは無いですが、あの山内練も登場します。麻生としては今の生き方が、一番合っている様な気がしました。麻生と練はいつまでたっても平行線なのかな?もどかしい二人です。

2018/10/09

ワレモコウ

聖なる黒夜の続編。警察を辞めて、私立探偵になった麻生が、4つの依頼を受けながら、練との関係に苦悩する様を描く。4つの事件はなかなか魅力的。幼い頃に近所の男の子と埋めたタイムカプセルの行方を追うマダム。女教師から覚えのないセクハラを訴えられ、真相を依頼してきた学校長。薬剤師の卵の青年に殺人の疑いがかけられそれを追う話。盗まれた指輪の行方を依頼してきた女弁護士の話。麻生の警察時代に関わった人もたくさん出てきてそれも良し。練との絡みは少ないが、「聖母の深き淵」に続く一冊。

2020/10/05

くたくた

位置付け的には、RIKOシリーズのスピンオフ『聖なる黒夜』の続き。時系列的には『聖黒』からRIKOにつながる隙間をつなぐ本書。春日の杯は練にとっては、麻生の前に置いた大きな踏み絵だ。条件付きの自分ではなく、過去も現在もひっくるめた俺の全てを受け入れてほしい。冤罪で人生を破壊された可哀想な俺、ではなく、それも込みで清濁合わせた今の俺では受け入れられないのか、という練の心の声が聞こえてきそうだ。二人の間のごちゃごちゃしためんどうくささをうっちゃって自分に正直に、とは本書冒頭の麻生の弁。

2022/04/23

*maru*

柴田作品6冊目。連作短編集。時系列では『聖なる黒夜』の後。いろんなことがありまして、私立探偵となった麻生さんが受ける調査依頼がメインストーリーなので練との絡みは少ないが、二人にもこんな平穏な時期があったんだなぁとしみじみ。麻生が関わるビターテイストな4つの事件と、ビターな物語の幕切れ。苦い。RIKOシリーズも読んだけど、やっぱり切ないな。韮崎の呪縛、練の迷い、麻生の迷い、そして決断。「変わらないのではなく、変われない」。寄り添うだけが、愛じゃない。田村は鋭いし、なかなか良い事を言うな。

2018/03/24

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