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不夜城 (角川文庫)

不夜城 (角川文庫)

不夜城 (角川文庫)

作家
馳星周
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-04-23
ISBN
9784043442010
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不夜城 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

生き抜くためには全てを利用し、そしてキレッキレのドライで合理的な判断をこれまたもの凄い速さでしていく健一に恐怖を感じました。不夜城新宿で生き抜いていくとはそういう事なのですね。続巻も楽しみです。

2019/07/13

ナルピーチ

新宿歌舞伎町を舞台にした圧倒的なノワール小説。出会ってはいけない男女が出会ってしまった時、運命の歯車は回りだす…。この小説を読んでる時、ひたすら脳内で映画主題歌にもなったB'zの『The Wild Wind』が再生されていた♪とにかくこの歌詞が小説の世界観にあってた。「戸惑いを噛み砕いて 痛い程 細い体 抱きしめ 戻れない道へとまた 踏み込んでしまう 知らないことなどきりがないけど なにもかも さらすように求めあう 瞬間は確かにある」アンダーグラウンドで生きる男達の生き様を得と堪能できました!

2022/09/10

のっち♬

歌舞伎町の中国系流氓の抗争で生き残る為に画策する男と女。怯えと憎しみのアウトロゥ同士を結ぶのは言葉でも性交でもなく打算と裡に秘めた狂気へのシンクロ。非情な欺きの世界のディテール&リアリティの追求はデビュー作とは思えない次元で、生への執着と裏切りと隣り合わせの関係が究極の選択へ収斂するペーソスは圧倒的な凄みがある。著者の執筆における根底的なモチーフだ。社会闇を映した過去、奇抜な人物、目眩く変転と加速度、どれを取ってもパワフルで間断のない傑作。この不安と焦燥が色褪せないのは社会の不夜と不信が進んでいるからだ。

2022/12/10

Tetchy

新宿を舞台にした犯罪を扱った小説といえば既に大沢在昌の『新宿鮫』という警察小説の傑作がある。その新宿の代名詞ともいえる作品に怯むことなく新宿を描いた本作『不夜城』は大沢氏が警察の側から新宿を描いたのに対し、彼は犯罪者の側で新宿の更に奥の闇を描く。しかしその基本プロットとしては実にオーソドックス。競合しあう複数の敵を利用して生き残る健一の物語はハードボイルドの源流、ハメットの『血の収穫』以来、何度も使い古された王道の物語構造だ。手放しで賞賛するには引っかかりを覚えるが、最後に残る読後の荒廃感、これは買える。

2010/03/28

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

やはり凄かった。ハードボイルドファンにはもう伝説的ともいえる本作をついに手にしてみた。新宿歌舞伎町を舞台に、暴力と裏切り、そして死と隣り合わせの抗争が渦巻くなか、その隙間に一瞬燃え上がった男と女の鮮烈な愛を、眩しいくらいに描ききっている。救いはない。ただ小蓮、そこにあったのは一瞬ではあったが、偽りのない愛であったと信じたい。今更ながら、映画版も観たくなりましたわ~(*^^*)

2017/07/23

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