マンゴー・レイン (角川文庫 は 21-4)
マンゴー・レイン (角川文庫 は 21-4) / 感想・レビュー
k5
訳アリの女を逃す仕事。過去のある主人公。そして日本軍の財宝と冒険小説のベタな道具だてに満ちた馳星周の初期作ですが、ロードノベルを期待しているとバンコクから出ません。。。ベタな冒険小説ファンとしては追い追われのドラマを期待していたんですが、お得意のひとつの町の中でのノワールになっちゃった、という感じですね。でもおもろいですよ。
2024/02/23
まーしゃ
クルンテープ産まれのクルンテープ育ちの日本人が主人公。そうタイの人にバンコクって言っても通じません。バンコクって名は観光客の為の名前です。クルンテープマハナコーンなんちゃらかんちゃら… めちゃめちゃ長いですがそれがタイの首都バンコクの本来の名前です。タイの小学生1年生の必須暗記事項です。何度目かの再読、タイ、バンコクの事が詳しく書かれてる感がありますが誇張が過ぎるかなw メイの強さに光るものがあるけど… 裏切りと淫猥な流れに死人の山、やはり馳星周らしいノワールだった。
2018/10/11
ミカママ
こういう東南アジアを舞台にした小説は大好きなんですよね~。垣根涼介さんとか、真保裕一さんあたりが書いたほうがもっと好きかも。とにかく長い!長すぎる。そしてラストが・・・私の好みではありませんでした。
2013/08/22
Tetchy
女を陸路でバンコクからシンガポールへ連れて行く、この件を読んだ時にこれは馳版『深夜プラスワン』かと思ったが、女の持つ仏像に隠された地図の正体を探るにあたり、これは馳版『マルタの鷹』なのだと思いに至る。しかし冒険小説の名作のモチーフにしながらも馳氏は馳氏。変わらない。人生の落伍者と貧困の犠牲者、2人の男女が日本軍の遺した宝を求める道行きに屍が転がっていく。2人から出てくる台詞は怨嗟の連続。しかしこれまでの作品ではろくでなしに翻弄される犠牲者だった女性が強靭な精神で男を屈服させる。本書は女メイの物語なのだ。
2012/11/17
MJ
タイが舞台のノワール小説。この本が書かれた当時、僕はバンコクに暮らしていた。タイは20世紀初頭まで自国民の奴隷制度が残っていた国であり、今でも極端な階級社会だ。また、タイは王国であり、多くの日本人が考えるような民主主義国家ではない。10年に一度軍事クーデターが起き、銃犯罪の発生件数は日本の約10倍に上る。馳星周の小説が良く似合う、金と暴力が支配する世界だ。
2020/10/27
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