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虚の王 (角川文庫)

虚の王 (角川文庫)

虚の王 (角川文庫)

作家
馳星周
出版社
KADOKAWA
発売日
2008-03-25
ISBN
9784043442065
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虚の王 (角川文庫) / 感想・レビュー

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hit4papa

破滅していく男の姿を描いた暗黒小説。過去に名を馳せた暴走族上がりの主人公は、ヤクザに頭を押させつけられてうだつの上がらない日々。少女売春組の略奪を指示を受け、それを束ねる男子高校生に接近します。物語は、少年に魅入られた主人公、少年のカノジョ、その娘に好意を抱く女教師を交えてスピーディに展開していきます。少年の囁きに操られるごとく、ヤクザを裏切り、殺人に手を染めていく主人公。不快な描写が随所に見られますが、それだけに抜き差しならない底辺感は迫力があります。読後感は最悪ですが、力のある作品とは言えるでしょう。

2023/04/08

GAKU

初期の馳作品。登場人物はろくでもない奴らばかり。狂った奴らばかり。「だったら、殺しちゃえばいいじゃない」。次から次へと繰り返される暴力!狂気!まともな人間は一人も出てこない。そしてどんどん破滅に向って行く登場人物達。やはり馳さんの作品はこうでなきゃね!ただ高校生の栄司の設定だけはちょっと違和感。こんな高校生いないだろ。前振り程恐いと思えなかったし。それより潤子みたいな女の方が恐かった!

2019/12/24

ユザキ部長

なんで人を殺してはいけないの?ダメなものはダメ。なんで?納得出来る答えがないよ。なんで我慢しなきゃいけないの?邪魔だったら殺しちゃえばいいじゃん。答えを示しても全く通じない。ただ虚しいだけ。殺戮の場面ほかハードに酷い。

2021/04/13

ねこまんま

どっぷりと、たっぷりと、馳星周のノワールな世界を堪能しました。 救いのない狂気の世界。 もともと要素はあったんでしょうが、ちょっとしたきっかけでどんどん狂っていく過程があり得ないようで、シリアスでもある。 エイジのような高校生はおらんやろ!と思うけど、潤子のような女はわりといてそうで怖い。 破滅に向かってまっしぐら! 面白かった。

2015/12/20

豚山田

氏の作品は不夜城以外で初でしたが、良くも悪くも期待を裏切らない展開でした。しかしこれだけ結末まで何が起こるか予測がついてしまう物語にも関わらず、ページを捲らされ先が気になってしまうのは、作者の持つ魔力としか言いようがありません。この投げ槍でぶっきら棒な文章に浸かっているだけで、自分も気だるげで刹那的な人生の裏路地を歩いているかの様に錯覚し、その行き着く先を見てみたいという昏い欲求が肚の底でのたりと鎌首をもたげるのですから、むしろ読み通りの展開に期待をしてしまうのは当然の事とも言えるのでしょう。面白かった。

2014/10/13

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