弥勒世 下 (角川文庫)
弥勒世 下 (角川文庫) / 感想・レビュー
巨峰
この小説のクライマックスは、下の中盤、仁美の襲撃場面だと思う。コザ暴動に取材した作品で、主要人物はフィクションだとは思うけど、その当時の沖縄、人の命や安全の保証されない、不公平で不平等な行政、植民地だったんだな…歴史を曲げられない以上、ラストは残念だけど、それでもまがいなき傑作だと思う
2021/12/05
koba
★★☆☆☆
2019/03/30
タナー
馳氏の作品の中では、その分厚さと題材の印象から、なかなか手が出せずにいた作品。ところが!!やはりこの作家はスゴ過ぎる。読み始めたらホント止まんなくなっちまうくらいにその物語に圧倒されてしまった。自分が日本人でありながら、この沖縄の歴史と存在、米軍の支配下にあったこの地に関して何と無知だったことか!馳氏ならではのスピード感とキレのある語り口とストーリー展開に、見事に惹き込まれていった。登場人物それぞれの存在感もスゴい。ラストはどうなっちゃうのかとハラハラしていたが、またまた見事に裏切られた。魂が震えた。
2017/12/09
みどり
ある程度結果は見えていたけれど、本当に救いがなさすぎる。好物の話ではあるけれど。 ちょっと心がささくれる。この、時代の沖縄を生身で知っているのもあると思うけれど。
2021/09/09
泥水 叫狼
史実をベースにしフィクションを乗せ、アンダードッグ達が権力に立ち向かう展開は垣根涼介の「ワイルドソウル」を思い起こさせました。どちらも圧倒的な取材量に驚かさせますが、あちらがエンターテインメントに徹しているのに対してこちらはノワール系です。後半はスピード感を重視したせいか若干粗さが目立つものの 、主人公たちの底辺にある怒りを1400頁維持させ、作品の緊張感を終いまで切らせなかったことに敬意を。
2013/05/22
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