新刊めったくたガイド大全 (角川文庫 き 21-2)
新刊めったくたガイド大全 (角川文庫 き 21-2) / 感想・レビュー
HANA
1979年から1994年まで、『本の雑誌』に連載された新刊ガイドをまとめたもの。そのため新刊ガイドというより当時の出版傾向やエンタメの歴史を綴ったものとして面白く読めた。個人的には『占星術殺人事件』からの島田作品の評価や新本格運動ってこういう受け止められ方をしたんだ。等が気になるところか。あと今は名前も聞かない作品が多いが、今でも名前を聞く時間の風雪に耐えた作品は本当にいい物が多い気がする。隆慶一郎や船戸与一はその最たるものか。あまり読んでいない著者言う所の活劇小説、これから開拓していきたいなあ。
2021/05/18
そーいち
先日亡くなられた北上次郎さんの書評本を読む。今更ながらすごく参考にさせていただいている。この本は本の雑誌に掲載された新刊レビューを刊行から1994年までを網羅したもの。北上さんの書評の面白さはとにかく素人にも分かりやすい目線で書いているところ。だからといって決して軽い読み口ではなく薦める際には情熱をもって薦めている。また自身が微妙だな、と感じた作品には容赦なく言葉にする。これが非常に良くてほめるばかりじゃない点が好感を持てる。過去の書評に遡って読んでいきたい。
2023/05/06
takeapple
『本の雑誌』に連載されている北上次郎の同名ブックガイドの1979年〜1994年分をまとめたものである。私が本を選ぶ基準として最も信頼しているのは、同じ活字中毒者としてこの北上次郎以外にはありえないと思って人生を過ごして来たなあと思い読み返して見た。実際には、本の雑誌掲載時に読んで、買う本を決めて、読んでみる。北上さんが批判しているのも読んでみると成る程、そうだよね、カッスラーよりヒギンズだよねと思ったものだ。その頃は、北上さん絶賛の初老小説は?だったが、今読み返してみるとそう言った本を読んで見たいと思う。
2017/11/25
ベック
この活字中毒者による1979年から1994年の15年間の読書ガイドは、もっぱら彼の独断と偏見に満ちていて、世の中一般の人たちに通じるかといえばそんなことはないと思う。だが、やはり北上次郎という名を見るだけで、そこそこの読書通は一目置いてしまうのである。
2007/03/31
Tetchy
北上次郎のガイドブックは相変わらず純口語体で、何よりもそれが裏腹のなさを示しており、結構好感が持てる。ただやはり書評家としてよりも一読者としての好みが全面に出ているきらいがあり、そこがいやに目に付く(まぁ、それが書評家北上の個性とも云えるのだが…)。また全体的にのめり込んだ本についての書評が長く、1つのコラムのバランスが非常に悪い。これならいっそ1冊に絞り込んで徹底的に評したらいいと思うのだが。でも自分の関心の高い作品についての感想を読
2009/05/19
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