生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫)
生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫) / 感想・レビュー
Lee Dragon
当たり前のことを当たり前のことだと信じるのではなく、疑い、問い続けることが哲学なのである。 自分は死ぬことに関しては仕方ないものだと思っている。でも、死んだらもう生きられないことが寂しい気がする。だから生きようと思う。そして、使命なんて分からないから与えられたことをこなす日々を送っている
2015/06/22
ナマアタタカイカタタタキキ
私の中で未解決のまま端に追いやられていた問いが此処に。近頃は死の実感から遠ざかっていただけかもしれないが、時を経て私はある程度順応した(要は鈍感になった)ことを感じる。それは端から見れば幸福に違いないが、鋭敏な痛覚(気概かもしれない)を取り戻したいという自分がいる。『世間に従うのを全身で拒否しておきながら、世間的価値観にがんじがらめになっている』嘗てはそうであったが、迎合するポーズを身に付け、価値観の強要も遇えるようになった私。それでも死を免れることはない。その時まで私の視界はこうピンぼけしたままだろうか
2020/03/13
masabi
「普通」に働き人間関係に悩まない人には恐らく本書に登場する架空の人物の苦悩に共感できないのだろう。けれども「死にたくない」「愛されたい」「生きたくない」「評価されたい」「世間に従いたくない」のいずれかについて考えたことのある人に本書を薦めたい。その考えを言語化しさらに一歩深めてくれること請け合いだ。どれも矛盾しているようですべてが正しい。そしてこの正しさを直視することが強者への道となる。
2014/08/04
るい
本屋さんでお目当ての本の近くにあるのにたまたま気がついてタイトルに惹かれてそのまま買った本です。よくこういうタイトルの本を衝動買いしてしまい、そういう本ってだいたい下手な励ましをしていることが多いのでがっかりしてしまうのですが、この本は良い意味で予想に反していました。思っていたよりも哲学的で、とても深く考えさせられました。また、自分が普段思っているけどうまく言語化できていないことをこの本ではきちんと言葉にされていて、自分の心の整理もできました。
2014/06/11
あつ子🐈⬛
ほんとに、何でこんなに中島本が好きなのか。偏屈でちっとも優しくないし結局悩みは解決しないし。万人におすすめはできないけれど、それが哲学で、それが人生なのだよとも言いたい私がいる。 「エピクロスの言葉は、どこまでも真実である。『それゆえに、死は、もろもろの悪いもののうちで最も恐ろしいものとされているが、じつはわれわれにとって何ものでもないのである。なぜかといえば、われわれが存するかぎり、死は現に存せず、死が現に存するときには、もはやわれわれは存しないからである。』」 考え続けようと思う。死ぬその日まで。
2021/04/28
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