受精 (角川文庫 は 24-1)
受精 (角川文庫 は 24-1) / 感想・レビュー
のぶ
帚木さんの本が好きでいろいろ読んできたが、この本は外れだったようだ。婚約者を交通事故で失ってしまった北園舞子。舞子はかつて2人で訪れた、韓国の蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から彼の子供を生みたくないかともちかけられる。その後、舞台はブラジルに移り医療サスペンスの方向に進んでいく。大変長い話だが、スケールが大きくなりすぎて、ストーリーの中心を見失ってしまったような印象を受けた。1/3ぐらいは、いらないと思ったし、登場人物をそぎ落とし、メインのテーマに絞った方が良いのではと感じた。
2020/07/31
キムチ
口頭なら想いを述べるのは容易・・でも公に綴るとなると逡巡。正直、外れ。筆者の医療に欠ける姿勢、それがロマンであっても逆に人間性を垣間見られるので。だが、この作品、ページ数を無体に費やし、中身が共感を持てない。舞子の人生の軌跡が変遷するにつれて筆者が代弁する感情は同性から見て違和感が大いにあった。受精・妊娠の取り上げ方は男性サイドの温度が高過ぎ。場所が韓国、ブラジルとワールドワイドになっても虚ろな場面が多く、感情が入り込めなかった。卍に関する所を色物的にストーリーに仕立てる方がましだったかと思った。
2012/03/20
ヨーコ・オクダ
いや〜帯に騙されたわ。帚木センセ好きなんやけど、これはちょっと…。300ページ以上読んだ時点でも、なかなか医療サスペンスっぽい雰囲気が出てこなくて「これは一体何の本?」てな感じ。愛する彼氏を事故で失くした女性数人がお寺で救われ、亡き彼氏の子供を宿すためにブラジルの医療施設へ…。ファンタジー路線に見せかけつつも、実はSF的、医学的、犯罪的要素等のハードな骨格が準備されていて。ラスト1/4ぐらいから面白くなっていくんやけどね(苦笑)ブラジルの地理、歴史、観光に興味がある人ならもっと多くのページを楽しめるかも。
2019/12/17
Yoichi Taguchi
名作と駄作がこれほどはっきりと分かれる作家も珍しい。初期から中期の作品の質はそろっていたと思うが・・・・。本作品『受精』も、明らかに前半の大部分と中盤の半分くらいは不要(書き手には何らかの意図があるのだろうが)。ナチスあるいはヒットラーの亡霊などの素材・着眼点は面白いと思うが、せめて1/2~1/3のボリュームにしてテンポをもたせないと、おそらく半分以上の人が途中で読むのをやめたのではと思われる。
2015/01/27
ホレイシア
これは結構、医学的に怖かった。
2008/01/01
感想・レビューをもっと見る