受命 (角川文庫)
受命 (角川文庫) / 感想・レビュー
アッシュ姉
帚木さん11冊目。招聘医師として平壌入りした津村。万景峰号で海峡を渡った舞子。脱北者の切願を受けて密入国した寛順たち。目的も手段も異なる三者三様の北朝鮮入国だったが、彼らの運命が交錯するとき、事態は大きく動き出す。三人の視点から語られていく北朝鮮の様子に目を瞠る。フィクションとはいえ相当な取材力が窺えるほど、内情について実に丹念に描かれている。日本からだけではなく、中国や韓国からみた北朝鮮についても語られており、お国事情や問題点が明らかになるにつれ、そこで暮らすしかすべのない人々に思いを馳せた。
2016/06/15
のぶ
北朝鮮を舞台にしたサスペンスとしては読み応えがあった。招聘医師として平壌入りを決意した津村は招聘医師として平壌に赴く。他に職場の会長の平山の付き添いとして入国する舞子。中国国境から潜入した寛順と東源。産科医療でのミッションを携えて北朝鮮各地を巡るがそこで待ち構えていたものは・・・。産科医療の記載については難しく、あまり良く分からなかったが、北朝鮮の内情をこれだけよく取材したものだと驚くほどに国内の惨状が描かれていた。出版された時は金正日が存命の時代だが、今も変わっていないだろう。酷い国だと思った。
2019/07/13
ミカママ
いやぁ長かった。読みにくいわけではなかったのだけど、不思議と読み始めると眠くなる本で・・・。1週間近くかかったかな。それにしても帚木さんの朝鮮モノはすごい。私が彼を知ったのは「三たびの海峡」で、それはそれは衝撃を受けたのだったけれど。ご自身が在日系、というわけでもなさそうなのに、取材はどうやってされたのか?現役の医師らしく、今回も医学がからんだ読み応えある作品でした。そして、ラストは胸のすく思い。
2013/07/24
HoneyBear
北朝鮮に関しての情報量が凄い。緊張感や躍動感があるわけではないが、一気に読了。
2013/01/02
GX
天から預かった命、それをどのように活かし、いつか、また天に返す時、何を残すことができるのか、それを知るのが「天命を知る」ということなのでしょうね。「コーリング」という言葉も覚えておきたいです。今、自分には、どんな声が聞こえるか、その声は、どこから呼ばれてくるか、天からか、地からか、自分のなかからだとすると、自分のどの部分から聞こえてくるか?そんなことを意識することが大事なのかも知れませんね。
2021/08/11
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