世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫) / 感想・レビュー
ナルピーチ
その読後感は決して後味の良いものではなかった。12歳の少年が犯した連続誘拐殺人事件を起点とし、その証拠を見つけてしまった父親の視点から複数のストーリー(妄想)で組立てられた物語は、小説ならではのプロットで読み手を惹き付ける。息子の犯罪は黒なのか。それとも白なのか。疑心を抱く父親の姿は、もはや善悪の区別すらなく、混迷の深みへと嵌まっていく。彼等にとっての『世界の終わり、あるいは始まり』その先の結末は誰にも解らない。パンドラの箱の様に多くの災いが飛び出した後、最後に残るのは希望である事を願いたい。
2022/05/01
ダイ@2019.11.2~一時休止
自分の息子が犯罪者ならどうするっていう話。アドベンチャーゲーム感覚です。
2013/08/31
再び読書
子供の親としてぞっとする話。しかし、真ん中くらいで終わりと思ったら回想、また終わりと思ったら回想の繰り返し。いったい何が本当と思い、いつか、雄介が無実だったらと期待しながら、最後は救われない現実にさらに収束する。新保氏の「ボーダーライン」にも打ちのめされたが、この話も子供が小さいのと、言い方は正しくないが、真っ直ぐ歪んでいるのに凹む。歌野氏の才能は認めるが、あまりにも救いの無い話に心が揺るぎます。良い学校に入れなくていいから、人として真っ直ぐ育ってほしいと強く望みます。
2014/12/10
いーたん
序盤から一気に引き込まれぐいぐい読み進め、この先どうなるの?えっ!?そうなるの?じゃあ、その続きは。。。と思ったら、へっ?えっ?ナニコレ?パラレルワールド?妄想?夢?なんだこれ?が繰り返されるという一風変わった構成でした。しかもどのルートに進んでも生きるも死ぬも地獄。メンタル削られました。ラストはお茶を濁された感が否めず主人公一家が結局どうなったのか気になります。
2014/11/15
chika
少年犯罪の作品で、貴志先生の「青の炎」がストレート、東野先生の「白夜行」が、カーブ、本作がシンカーな?印象(๑˃̵ᴗ˂̵)。 現実と虚構の境界を意図的に不明瞭にし、ハンパない幻惑感をもたらせてくれる作品です。崩壊、再生、パンドラの箱etc描写は、作品名同様斬新です。(^。^)
2017/10/22
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