ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)
ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
青乃108号
夏らしく、ホラーでも読もう。有名な作品が良いかな。おや、装丁画の雰囲気もいい感じでこれは怖そうじゃないか。短編集なのか。短編集、苦手なんだって。しょうがない。読んでみるか…表題作は読みやすく、そこそこ怖い。二番目、三番目はほとんど印象に残らない。そして四番目。出てくる。件(くだん)が。頭は牛で体が人間の化け物。これって怖いですかね。何か想像するとユーモラスで怖さを感じないんですけど。小松左京の【くだんのはは】は表題作のくだんにめげて、読むのを止めてしまった覚えがあるから、やっぱりくだんは苦手なんだな。
2022/08/17
hideko
再読。何度、繰り返し読んでも面白い。こういう、日本的な土着的というか、ジットリとした世界観大好きです。 ここから岩井志麻子さんにハマってかなり読んだな。 岡山に対してのイメージが暗い土地(関係者の方、スミマセン)だと私の中で植え付けられた一冊。 (´•ω•`;)
2017/03/18
明智紫苑
私が好きな作家さんたちには何人か岡山出身の方々がいるけど、やはり岩井さんが一番曲者で「きょうてえ」。塚本青史さんも宇月原晴明さんも一筋縄ではいかない作風だけど、岩井さんは別次元。
2015/01/26
bookkeeper
★★★☆☆ 再読。「ぼっけえ、きょうてえ」女郎が語る寝物語。生命の尊厳や情愛の光の差し込まぬ地獄。姿形よりも心の形がどこか決定的に捩くれてしまったものが、じわじわと浮かび上がってくる。 「あまぞわい」激しく波の打ち付ける岩礁。そこに繋がれた亡霊は夫に尽くして死んだ海女か、手籠めにされた挙句殺された尼か。いずれにしても男に食い物にされて報われない…。 郷愁を掻き立てる"古き良き日本の原風景"が内包していたかもしれない、じめっとした恐怖。昔も良いことばかりでは無かったのね。ほんときょうてえ…(◞‸◟)
2019/05/18
mocha
ずっと気になりながらも、怖そうで手に取れなかった本。やっぱり“ぼっけぇ、きょうてぇ!”(めちゃ怖い)収録4篇とも、明治頃の岡山を舞台とした土臭い話。貧しさにがんじがらめになって、抗うことも諦めた人々。生きていくのに精一杯で、思いやりなんてものの入り込む隙間はない。生きるも地獄、死んでも多分地獄へ行くだろうという救いのなさに戦慄する。
2017/08/29
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