夜啼きの森 (角川ホラー文庫 82-4)
夜啼きの森 (角川ホラー文庫 82-4) / 感想・レビュー
まさきち
昭和初期に実際に岡山で起きた「津山三十人殺し」事件を題材に書かれた物語。岩下志麻子さんが描く独特の田舎の暗さの中にドロドロととぐろを巻いているようなエロさは鳴りを潜め、むしろ寒村の人々の冷め切った感情の方が強調された印象で少々物足りなさを感じました。
2016/11/17
HANA
うわあ、相変わらず著者の小説は嫌だ。モチーフは「津山事件」だが、これまで事件を主題にした数多の小説群が犯人のそれまでの行動と事件そのものを描いているのに対し、本作はそれらが前面に押し出される事は無い。代わりに描かれているのは中国山地にへばりつくように生活している田舎の陰惨さ。欠けた月が満ちていくように事件には近づいているのに、気配だけが濃厚になっているのに犯人の姿は朧な影のようにはっきりとしない。他の作品が事件の爆発を描いているとするなら、本作は何時までも熾火のようなもので焙られているような…ああ、嫌だ。
2021/09/22
♪mi★ki♪
津山事件関連が好きなので。(^_^;) 最近、志麻子のTV露出が多いので、読んでて彼女の声がで脳内再生されてしまった。娯楽のない閉鎖環境の田舎をネチネチ書いてはいるものの、それほど怖くなかった。津山関連では、フィクションだと「八つ墓村」ノンフィクションだと松本清張の「闇に駆ける猟銃」がマイベスト。
2016/06/22
kommy
津山事件をベースに書かれた物語。 閉ざされた小さな村の陰鬱な雰囲気が、彼を殺人へと駆り立てたのであろう。 霊よりも生きた人間の方がぼっけえきょうてえ。
2017/05/06
Yu。
時は昭和13年、岡山の北の果ての集落を舞台とした宿怨大量殺戮。その飢えや貧困を加速させる“戦中”という時代背景と相まったダークすぎる因習絡みの人間模様にとことん翻弄される内容で、様々な人物視点からの描写が犯人や村人達の異常性に、より苦味や深みを与えてくれます。で、何が一番恐ろしいって、結局のところもう麻痺しまくってる村の在り方 …(。-_-。)
2015/04/23
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