今夜は眠れない (角川文庫 み 28-1)
今夜は眠れない (角川文庫 み 28-1) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
赤川次郎の「1億円貰ったら」の5倍の5億円。赤川次郎を尊敬する宮部みゆきならではの設定。宮部みゆきらしいべたな展開。最後は幸せな終わり方(happy end)。母親の思いと賭。息子の事態の受け止め方が、宮部みゆきらしく、すがすがしい。設定自体は乱暴だが、赤川次郎の設定した他の分野にも挑戦して欲しいと思う。
2013/06/14
ちょこまーぶる
こんなに上手く物事って進むのかなあ。まあ、それは良いとして・・・後半に母親も知った上での大芝居だったというあらすじには驚いてしまった。マスコミから警察までも巻き込んでいるんですからね。そして、雅男くんの冷静さと友人の島村くんの推理力には、最近子どもの姿ってこんなものなのかと思ってしまいました。それにしても、章の題目がキックオフとかPK戦になっているから、いつサッカーが絡んでくるのかって安易に考えていたんだけど謎ですね。
2013/02/24
相田うえお
★★☆☆☆17088 ごく普通の生活をしていた家族のもとに、20年前奥さんに助けられたという男性の顧問弁護士が訪れ、「その男性が死亡したため公正証書遺言に書いてある通り、財産を奥さんに全額遺贈する」ということで税金等を差し引いても5億取得!遺贈に何かあるのではと夫は妻と男性の関係を疑ってしまい、息子は母親の過去を調べ始めます。5億取得が周りに漏れて色々な出来事で家族バラバラ...家族は再生出来るか的な話。。息子と友達はまだ中学なのに賢すぎだね。当方の望む話の流れではなく勝手に残念がってしまいました。
2017/09/03
優希
中学生が主人公ということもあり、かなりライトな印象を受けました。ヤングアダルト向けなのでしょう。5億円という大金にまつわるミステリーで、雅男と島崎くんがホームズとワトスンのような雰囲気です。ただ、全体的に爽やかなのはいいのですが、やはり物足りない感じがしました。設定はドキドキさせられるものの、どうしても物語がついていってない気が否めません。児童文学として読むとしてもミステリーと読むとしてもちょっと中途半端かなぁと。
2017/01/29
bunmei
今から20年ほど前の、懐かしい世界観漂う宮部ミステリ―。ある日突如として5億円という大金が舞い込んで、幸せに浸る一家。しかし、その後に待ち構えていたのは、大金を手にしたことからの、世間からの誹謗中傷と家族離散の悲劇。極めつけは、家族が巻き込まれる更なる誘拐事件へと発展。こうして書くと、5億に目が眩んだ人々の、醜い争奪サスペンスかと思いきや、読後は、爽やかな風が吹き抜けていくような清涼感が残る作品。その理由は、主人公である中学生の息子の素直で驕らない人物像と最後で語られる大どんでん返しにあると言える。
2023/12/27
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