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アラビアの夜の種族 I (角川文庫)

アラビアの夜の種族 I (角川文庫)

アラビアの夜の種族 I (角川文庫)

作家
古川日出男
片岡 忠彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-07-22
ISBN
9784043636037
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アラビアの夜の種族 I (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

タイトルに魅かれてⅠ~Ⅲ巻を一気に購入。第Ⅰ巻を読み終えたところだが、早くも先行きへの不安が…。すなわち、1番いいのがタイトルで、2番目がジャケットのデザインということになりはしないかと。さて、物語は入れ子構造をとった、なかなかに凝ったものではある。外枠がナポレオン軍が迫り来るエジプトといった、佐藤亜紀の歴史小説を想起させるような構え。そして、内包されているのは『災厄の書』から「ゾハルの地下宮殿の物語」。全4夜のこの物語が第1巻の中核を成している。前半の語りこそは荘重なのだが、しだいに馬脚を現すのは⇒

2018/10/24

徒花

おもしろい。近代兵器を携えてフランスのナポレオンが攻め込もうとしているエジプトを舞台に、そのナポレオンに対抗する「災厄の書」を綴る夜の種族たちの物語。作中作という仕掛けがあることで、すんなりと現実世界から魔術が飛び交うファンタジーの世界に移行し、2つの世界を交互に行き来することで、次第に読者そのものを夢うつつの世界へといざなう。また、アラビアの世界という日本の読者にとってなじみが薄い設定でありながら、滑らかでどこかきざな日本語が読んでいて心地よい。そして邪神が意外とかわいいぞ。

2017/08/23

優希

面白かったです。本を開いた途端、アラビアの世界へと誘われました。誰に共感するとかはないのですが、そこにある空気感に引き込まれるのです。続きも読みます。

2024/04/09

hit4papa

ナポレオン・ボナパルトがエジプト侵攻に着手した頃。第三番目の権力者に愛でられた奴隷アイユーブは、ナポレオン艦隊を駆逐する奇策を主人に提案します。それは、読み手に破滅をもたらすという伝説の書物「災厄の書」を献上すること。アイユーブは、実在しない書をでっち上げるため、夜の種族たる語り部に、毎夜空前絶後の物語を紡がせます。第1巻は魔導士アーダムと蛇神をの愛憎劇が描かれています。書物の、書物による、書物のため物語。翻訳小説でありながら、著者らしいリズムと美しい日本語で彩られた奇書の開幕です。第2巻に続きます。

2017/04/26

エドワード

19世紀初頭のエジプト。オスマン帝国の属州である地にナポレオンの軍隊が迫る。知事の側近アイユーブは、読む者を狂気に導く<災厄の書>によって、恐るべき近代兵器を撃退することを計画する。かくして女語り部が世にも不思議な物語を語り、筆記者が文字に留める夜が始まった。第一部は「魔術師アーダムと邪神ジンニーアの物語」。人が魔術とともに生きていた遠い昔。アラビアはまさに戦国時代。月に照らされ、砂漠を行く隊商、蜃気楼の都市、悪徳の宮殿、地下の迷宮と物語はめぐる。全く新しいアラビアンナイトの始まりだ。

2015/08/21

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