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アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

作家
古川日出男
片岡 忠彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-07-22
ISBN
9784043636051
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アラビアの夜の種族 III (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

外枠の物語は、ナポレオンのエジプト戦役を語る。それはほぼ史実通りであり、これを語る文体もまた文章体による硬質なものである。そしてアイユーブを座標軸の交点として語られる『アラビアの夜の種族』の物語。作者自身のあとがき(「仕事場にて」)によれば、それはアラビア語の俗語で語られてきた民潭を採録・編集したものであったらしいのだが、もちろんそれもまたフィクションであり、作者の巧妙なたくらみに他ならない。このあたりは実に巧いものだと思う。ただし、その民潭の部分の話体による語りが、まことに残念ながらRPGかアニメの⇒

2018/10/26

hit4papa

いよいよナポレオン・ボナパルトの侵攻が本格化してきたエジプト。アイユーブは「災厄の書」の完成を急ぎます。物語は作中作の主人公たちアーダム、ファラー、サフィアーンが三つ巴となりクライマックスへ向かいます。第2巻での中だるみが嘘のように第3巻はぐいぐい読み進めることができるでしょう。おちゃらけた会話文も気にならなくなり、むしろそれを味と感じるようになります。夜ごと語られた百物語の結末、そして「災厄の書」がもたらしたものとは。読了したときに本作品がミステリとして楽しめるものだと気づきます。【日本推理作家協会賞】

2017/06/10

優希

記憶と異界が交差しながら進む年代記。この手の作品は興味があるので没頭してしまいました。こんな衝撃的な物語があって良いのでしょうか。ハマります。

2024/04/09

ひなきち

ついに、夜が明けてしまいました…。本を読むもの、読まれるもの、語り継ぐもの…。「災厄の書」の正体に、鳥肌が立つ。そしてとどめのラスト1文。弱いんだよ~こういうの、もうっ!(褒め言葉)。私もこれから、あらゆる本と邂逅し、歴史のなかに組み込まれる運命なのだろう。良き読書をしました。

2019/02/23

エドワード

魔術師ファラーは剣士サフィアーンの協力を得てアーダムを倒すが、彼を裏切って戦果を独占する。アーダムがサフィアーンの遺体に宿り、二つの人格を持つ魔王が誕生、果てしなく三人の戦いが続くことドラゴンボールZのごとし。むしろ奇人都市となったゾハルが興味深い。楽士。艶歌師。講釈師。陰陽師。薬種商。本男。禍々しい喧騒と幻想の魅力。アラビアの永遠の繁栄を祈念するような大団円。現実の戦争は、イギリスの講じた対仏大同盟の前にナポレオンの突然の退却を見るのだが、それが<災厄の書>のなせる技か否かは誰も知らない。

2015/08/26

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