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バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)

バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)

バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)

作家
池上永一
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-01-23
ISBN
9784043647088
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バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫) / 感想・レビュー

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mayu

れんげ選書。これはファンタジーなのか、南の島の伝統なのか。石垣島が舞台。綾乃がお告げを受けてユタになるまで。綾乃は80代のオージャーガンマーとお喋りしたり、悪戯したり遊んでばかり。めちゃくちゃな生活なのに憎めない二人。何ひとつ役に立ってなかったのに、オージャーガンマーの深い愛情を感じた最後は泣いてしまった。ユタが拝む意味。先祖を敬い、悲しい消滅をしないように思い出すこと。それができれば、ずっと記憶の中で生き続けられるんだろう。南の島がもつあたたかく、そしてのんびりとした空気感が心地よかった。

2023/09/21

しょこ

ふと図書館で見かけて読んでみた。池上さん初読み。カバーイラストがすごく綺麗でかわいらしくてずっと見てても飽きない~☆沖縄ファンタジーのようで、どんな綺麗な世界が広がっているのかと思ったら…、なんだかおかしいぞ。主人公の綾乃は仕事もせず86歳のオージャーガンマーとユンタク(おしゃべり)してダラダラ過ごす毎日。最後まで読み終えると、二人のこの関係はすごくいいものなんだけど、ホントに呆れるくらいひどいだらけ様。そんな、綾乃に神様からお告げがあり、ユタの道へ。何気にカニメガもイイ味出してたな。ロケット花火…笑。

2016/10/14

翔亀

【沖縄12】沖縄らしい現代物語作家といえば、この人か。数々の物語作家を世に送り出した日本ファンタジーノベル大賞(1994年)。生地の石垣島を舞台にした、ユタ(巫女)の物語だ。ユタだからといって琉球王国時代の話ではない。現代の高校生・綾乃がユタになる物語だ。それにしてもこの風土は何なんだろう。身近な神様と聖域(御嶽=うたき)が、民謡と祭りが、太陽と海が横溢したこの島は、作家の創作なのか現実の石垣島なのか。恐らく作家(1970年生まれ)の育った同時代の石垣島の様子が濃厚に反映されているのだろう。↓

2021/10/30

そふぃあ

19歳の少女と86歳のおばあさんの破天荒な仲良しコンビが織りなす池上永一ワールド。デビュー作からジェットコースターみたいな作品書いてたんだ。御嶽やユタの古い信仰が未だに息づいて、あの世とこの世が近く境界が曖昧で、まるで沖縄の空と海みたいに溶け合ってる。熱帯はマジックリアリズムがよく馴染む。沖縄ののんびりだらだらした雰囲気とウチナーグチ(沖縄言葉)の気の抜けるような語感が読んでて心地よく、あたたかい気持ちになった。

2016/01/21

あたびー

#日本怪奇幻想読者クラブ 石垣島。読み進むに従い川平湾辺りが中心の舞台だとわかる。高校を卒業しても定職につかず近所の大謝家の次女婆様、オージャーガンマーと無邪気に遊び回る綾乃。その綾乃に再三神様からユタになれと言う託宣が下る。ユタになりたくないので無視を続ける綾乃だが、何度も深刻な神罰が当たり…全篇これ八重山口、しかし字幕(?)付きでスイスイ読める。トゥバラーマやデンサー節の歌詞の解説もあり、どっぷり八重山の空気に浸れる快感。また川平湾へ行ってあの美味い八重山そばが食べたいんですけど。

2020/08/31

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