ロッカーズ (角川文庫 か 36-4)
ロッカーズ (角川文庫 か 36-4) / 感想・レビュー
あかつや
スターダムを駆け上がったロックバンドのギタリストが語る回顧録という形式の小説。そもそもその手の本ってファンが楽しむもので、よっぽど変な人だったり変な出来事だったりがなければ一般にはあまり読まれないものだろう。語り手もファンに向けて語ってるし。それをわざわざこの世界に一人もファンが存在しない架空のバンドでやるってことで、当然物語的に何かしらの仕掛けが用意されてるだろうと期待したんだけど…。なんだかそれっぽい感じのバンドがそれっぽい感じで売れてそれっぽいスキャンダルがあってそれっぽく解散しやがった。何だこれ。
2020/01/21
さんつきくん
爆発的に売れた伝説的ロックバンドNEXUS。そのNEXUSのギター・リンが当時を振り返るテイで書かれた。ロックバンド好きなら、読んでそんはない、痛快バンド小説。あまりにも上手く行き過ぎてる感は否めないけれど、売れたバンドはこんなものなのだろうか。リンがバンドに加入して、ライブハウスでの下積み時代を経てメジャーデビュー。同時にイギリスデビュー。その後、ロックの際どい部分も描きつつNEXUSは熱狂的なフォロワーに指示された。メンバーもロッカーだ。カリスマ性があるヴォーカル。薬漬けのドラムとベテランのベーシスト
2021/01/04
てるてる
読んでて思い出したのは、自分が行ったpresence of soulのライヴとよく観るNumber Girlのラストライヴ。Number Girlのほうは、オーディエンスのエネルギーがあふれていて、あてられそうになる。presence of soulのほうは、唯一ライヴで泣いたときのことを思い出した。自分をぶっ壊したくなる衝動と、かき鳴らすギターの美しさに、何が何だかわからなくなった。きっとNEXUSはそういう言葉にならない感覚を解き放ってくれるバンドなんだろう。
2018/03/26
かおるん
思い浮かぶのは、薄暗い、煙の立ち込めた、小さなライブハウス。がやがやと、メンバーが現れて、身内ネタで笑って、各々の楽器に触れ、沈黙、そして。そんな、ワンシーン。セージの声が、甘くけだるげで、艶めかしい声が、爆発するのだろう。リンが、クニさんが、トオルが、ミュージックを楽しんでいるといい。何度となく読んできました、ただこんなに鮮明にライブシーンを思い浮かべられたのは初めてでした。友達のライブに行くようになったからかな。決してきれいな物語ではありません、でも、なんとなく、手放せない1冊。
2011/09/22
須戸
初めてタイトルを見たときは、コインロッカーが人々の日常についてお喋りをする話なのかと思った。紹介文を読んで違うと知った。 ロックバンドの知識が全くなく、「君たちも知っての通り」と主人公に言われる度に「知らないよ」と思っていた。だけど、読み進めることによって、「うん、知ってる」という気分になった。
感想・レビューをもっと見る