隣之怪 木守り (角川文庫)
隣之怪 木守り (角川文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
木原浩勝さんの怖さに震えながらも読むと夢中になりテンポよく頁を繰る手が止まらなくなる魅惑の実話怪談集ですね。そうですね、こんな突拍子もない事があってたまるか!と思いながらも実は自分が知らないだけで世の中には信じられない様な怪異がゴロゴロと転がっているのかなと思い直させられるきっちりと怪談語りのツボを押さえた著者ならではの魔力を感じますね。表題作「木守り」は古道具屋が入手した「こけし」に似た木の棒はすぐに売れるが暫くすると買い手が必ず右腕に怪我を負って返品されるという不気味な話。中でも『末路』は最恐ですよ。
2020/03/28
急いで突厥
夏が来たのでホラーを読んでみた第16段。 新耳袋の著者の一人が新しく始めた怪談シリーズ。 新耳袋では掲載されなかった因果や呪いに纏わる話も収録されている。 今回の中ではふたりが最も背筋が寒くなりました。
2015/08/23
ラルル
このシリーズの敗因の一つは「です、ます」言葉にした事だと思います。不要な文字が増えてスピード感や臨場感が無くなり、読者と話に距離が出来てしまう。そうなると一歩引いて読むので怖くない。読者が冷静になればなる程、怪談は胡散臭い印象になってしまいます。残念です
2018/10/31
kai_sou@十五夜読書会
新耳袋シリーズでは三人称でしたが、このシリーズは一人称で綴られていくようです。三人称→一人称に変わっただけで随分と印象が変わりますね。あとがきでも記されているとおり、新耳袋では書かなかった因果や呪いに纏わる話を、、、ということですが、「井戸」で書かれている古井戸なんかは本当に怖いなぁと思う。「記憶」「タバコの火」「はじめてのおつかい」「木守り」「発狂する家」あたりが好みでした。
2014/01/18
クナコ
初読。夏は怪談。「新耳袋」の編者が独自に立ち上げたシリーズで、「九十九怪談」シリーズより前に出ている。前述2題は百物語を意識して構成されているが、本シリーズは収録数に関してはそうではない。一話ごとがやや長く、因縁めいた後引く話が多い。どの話も体験者のひとり語り口調になっている。「〜から聞いた話です」といった伝聞調のものはないので、臨場感がある。ただ他シリーズと比べると入り込みやすい反面客観性が薄れている印象。エンターテイメントとしては良し。表題作と「発狂する家」が良かった。
2021/08/26
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