戦国秘譚 神々に告ぐ(下) (角川文庫 あ 40-2)
戦国秘譚 神々に告ぐ(下) (角川文庫 あ 40-2) / 感想・レビュー
TheWho
下巻に入り足利義輝と三好長慶・松永弾正の戦いは、ますます激しさを増すが、近衛前嗣の謀略により勅命で和議とし、義輝は5年振りに上洛を果たす。そして正親町帝の即位の礼を契機に前嗣は上杉謙信や織田信長、斎藤義龍等の戦国大名を上洛させ三好氏攻略を画策するが、そこに松永弾正と、その裏にいる内親王祥子に取り付く怨霊の正体が、物語を佳境に導く。ともかく本作品の中核は、歴史変遷の中で日本の国体が維持できた根本を描写したかと思える興味深い作品でした。
2022/10/25
北之庄
下巻を読み終わりました。後奈良帝崩御から正親町帝即位までの皇室、朝廷内の確執を三好長慶や松永弾正等戦国大名の台頭を交えて描く。初めて知るこの辺りの事情や政治的闘争は、純粋に興味深く読み進めた。ただ黄泉の国や思念、悪霊等、著者にしては珍しくそこかしこに伝奇的手法を取り入れた作風は、個人的にはいただけなかった。
2019/01/19
明智紫苑
ファンタジー色の強い小説だけど、私には合わなかった。湾岸戦争などのせいで一神教不信になった私は、オウム真理教事件などのせいで多神教優位論に対しても疑問を抱くようになったが、結局どの宗教も一長一短なのね。宗教が重大な要素の小説なら、『秘本三国志』やバーナード・コーンウェルのアーサー王三部作がオススメ。
2015/12/21
kazukitti
近衛前嗣への史実の知識がほぼないので、もう自分の公家衆への偏見~他人のふんどしで相撲を取る権力の寄生虫~ありきだったので、まぁこう話の時代歴史ものじゃなくて伝奇ィ!?感も含めて、終始主人公への共感がないままだったw 後半見知った戦国武将がチラホラ見えてくるあたりはクライマックス感はあったけど、知識として公家が文化の継承発展のキーマンてのは知ってても、作品中で別段そんなに触れてるワケでもなく、関白の矜持とか帝の神から委託された王権とかうすら寒い自己正当化に、うへぇ感が増すばかり。
2021/12/27
ゆうこ
帝が即位されるということがどれほど大変なことなのか。人・金・政治・思い・恨み…すべてがそうではないとしても、この時代であればすべてが真実に思える。近衛前久がこれから向かう戦国時代のうごめきが、すでに始まっている。金がすべてでも、政治がすべてでもない世の中。戦国時代とはそういったものだったと思う。帝・天皇というのは国ができたときから決まっていることは知っていたが、朝廷の役職までが決まっているとは知りませんでした。
2015/11/30
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