彷徨える帝(上) (角川文庫 あ 40-3)
彷徨える帝(上) (角川文庫 あ 40-3) / 感想・レビュー
TheWho
町中期の永享年間(15世紀)南北朝統一後も燻り続けていた南北朝の確執が、6代将軍足利義教時に表面化した時代、所謂後南朝争乱期を後醍醐帝の謎の能面をキーワードに対立する二人架空の主人公(北畠宗十郎と朝比奈範冬)を軸に繰り広げられる上下巻の歴史伝奇物語。上巻は、鎌倉公方の足利持氏と将軍足利義教との対立に南朝方と関東管領の上杉憲実が絡んだ永享の乱の顛末までが語られ、そして両主人公が後醍醐帝の能面の行方を追いながら能面の謎が深まっていく。下巻の展開が楽しみです。
2023/02/14
星落秋風五丈原
観阿弥が足をぶった切られる冒頭から驚かされた。後南朝の時代はどうもタブー視されていて山風以外野心的に描こうとする作家がいない。その中で胡散臭い武士と足利将軍家、天皇家をぎりぎりの所で描いたのでは。ダブル主人公にそれぞれお似合いのヒロインもついている。実際に起こった赤松家の嘉吉の乱に絡めた伝奇風歴史小説。
2013/12/15
スターリーナイト
2019-30 この時代の事をあまり知らないので、新鮮でした。
2019/04/13
まりこ
南朝方の宗十郎と北朝方の範冬のW主役で話が交互に展開。黒色尉の面の入手を巡って戦うが、どちらも悪役ではない。将軍義教が怖いので私は宗十郎びいき。この時代の小説は山田風太郎しか読んだことがなく、ピンとこない事もあるが、十分面白かった。熊の五右衛門が良い。
2014/10/14
BIN
表紙から後醍醐天皇ものかと思っていたら、そうではなく、後醍醐天皇が自ら打ち、秘事を隠したという黒色尉という名の面をめぐり、北朝方VS南朝方+鎌倉公方という一種のバトルものです。両方に主人公がいる感じです。上巻は永享の乱につながる。下巻はおそらく嘉吉の乱につながるんだとは思いますが、あまり見慣れない時代ということもあり、なかなか面白いです。
2014/09/11
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