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症例A (角川文庫)

症例A (角川文庫)

症例A (角川文庫)

作家
多島斗志之
多田和博
出版社
KADOKAWA
発売日
2003-01-23
ISBN
9784043690015
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症例A (角川文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

2001年このミス国内第9位。 精神科を題材にした作品である。 重いテーマだが、少女 亜左美の繊細で 危うげな脆さが 心に残る。 医師 榊、女性臨床心理士 広瀬が 抱える 心の闇も 清冽に描かれるが… 正直 よくわからない用語も多く、題材の 難しさを実感した、そんな作品だった。

2018/09/19

青乃108号

かなり長い物語だけど、最後まで飽きる事なく読み終えた。博物館の贋作疑惑を追う女と、精神病院で担当患者の診断に迷う医師の苦悩。2つの物語は並走し、やがて1つになるが結局はまた分かれて。博物館の女は疑惑がすっきりしてこれから頑張りますみたいな結果オーライな感じだから良かったろうが、医師のこれからを思うと幸せな未来はどうしても浮かんで来ず、因果な商売だなあとつくづく気の毒で仕方がない。

2023/08/03

chiru

医療ミステリー。17才の少女を受け持つ精神科医は、彼女の歪な闇に光をあて『解離性同一性障害』に辿りつく。『多重人格』を扱うけどそれは軸ではなく、『多重人格』という症例を、安易に証明することができない医師の葛藤を描く。心と脳は、正常と異常、妄想と現実の壁を破壊してでもブレイクスルーして“自分”を守る。その謎と神秘に圧倒されてしまう。読むうちに、医師と患者という立場ではなく、1対1で向かい合う人間同士の物語のように思えてくる。感傷が入り込む余地がないのに最後まで見届けたくなる秀作。 ★3.5

2019/12/19

mmts(マミタス)

えーと、きっと読者がどんな立場か次第で受け取り方は異なるように思いました。私は心理学を専攻したものの中退しましたし、まさしくミイラ取りがミイラ状態で、現在は精神科に通院中ですから。ひょっとしたら患者の病名は云々は、ひょっとしたら私自身が主治医からこんな風に思われてるのか、あんまり穏やかじゃありませんでした。こんな経緯ですから、何とも言えませんが。ただし、小説では寛解した患者が居ないし、もっと希望のある内容が良かったような。何だか悲しくなりました。

2015/05/07

aqua_33

精神病院に入院している少女の病根を突き止めようと模索する精神科医の榊。分裂病なのか境界例なのか、はたまた多重人格なのか…。それと並行して国立博物館では収蔵品が真作なのか贋作なのかの調査が進んでいく。一見何の関係もなさそうな精神病院と博物館。これがうまい具合に繋がっていく様は読んでて「おぉ!」と唸らされる。作者は精神科医ですか?と思えるほどリアリティのある場面や描写にも驚きです。残念なのは話が尻切れトンボ感半端ないところ。着地点がなかったです…。面白かっただけにホント残念(>_<)《2018年90冊目》

2018/05/07

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