期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫)
期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫) / 感想・レビュー
さきん
著者の本の面白さは読んでそれらしいと納得できても、これといって意味もないが、また読みたくなってしまうというところにある。ちょっと屁理屈なところもある。オジサン的思考の流れを汲んで、おじさんの気持ちを代弁し、将来おじさんになる若者へのメッセージといった流れになっている。
2020/03/28
さらば火野正平・寺
久しぶりに内田本を読んだ。話題が十年以上前のものであるが、内田樹の文章も今より多少軽薄な感じである。前半は女性を嫌いになりそうな論考があり、なかなか面白かった。『説教値千金』は説教の名の通り耳が痛い言葉も多い。最近内田本を読む気も起きなくなっていたが(旬を過ぎたか?)、やっぱりたまには読もうと思う。
2013/06/15
Gatsby
『おじさん的思考』に続いて、私の内田樹発見の書である。相変わらず、文庫化されればまた買っている。書かれた文章は、今からもう10年ほど前になるのに、今読んでもまだ面白い。人間はどうして自分がつらい目に遭った時、他の人にはそんな経験をさせたくないと思わず、自分と同じように苦しめと思うのか? なるほど、そういうことだったか…と10年経った今また納得。会社の先輩が後輩に結婚しろ、家を買え、という理由は…覚えていた。10年経っても私の頭の中に残っている部分もあるのかと思うと、少しほっとした。
2011/12/16
Lily603
★★★★+ これまた色々な相談や論件をざっくばらんに内田節で説いた1冊。良くも悪くも飛躍した断定や定義が目立ちますが、一理あったり深く本質を突いてそうな言葉が並んでいるので、ついページを捲ってしまいます。「何でこんなに読みたくなるのかなあ」と思ってると、最後に理由が書いてました。『最終的に書物の寿命を担保するのは文体ではないか。~いきなり話が変わるとき、話があらぬ彼方へ飛ぶときこそ書き手の知性は一番高く飛躍し、一番高速で回転している。グルーヴしている。それに読み手の知性が共振する』春樹さんとも通じますね。
2012/10/31
文章で飯を食う
相変わらずの内田樹だが、相変わらず面白い。特に儲けものなのが、文庫本あとがきーーリーダビリティについて。ネタが古いことから、読む価値とは何かを書いたもの。それは文体である。つまり、思考の形式ー肉体の要素、息継ぎも含めてのー個性である。おもしろいね。ほとんど、小説の面白さじゃないか。なので、内田樹の著書が快刀乱麻の快感なのは、鬼平犯科帳の面白さに通ずるのだと思う。
2015/11/03
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