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白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

作家
朱川湊人
田島 照久
出版社
KADOKAWA
発売日
2003-11-07
ISBN
9784043735013
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白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー

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ヴェルナーの日記

著者・朱川湊人氏は慶應大卒後、出版会社に勤務しながら執筆活動するも、なかなか芽が出ずにいた苦労人。しかし、作風をホラー作品に換え、2002年にデビューする。ホラー作品といえば、エログロなイメージを抱きやすいが、本作『白い部屋で月の歌を』は、イノセンスで透明感のある世界が広がっている。いわば、ホラー版"イノセント・ブルー"といった感じだろうか!?また、『鉄柱(クロガネノミハシラ)も、通常のホラー作品とは一線を画している読み応えのある仕上がりになっている俊作。

2021/04/19

KAZOO

中編2作が収められています。表題作と「鉄柱」で両方とも新しいホラーのような感じで楽しめました。表題作では語り手がどのような人物か気になっていましたが最後に明らかになります。「鉄柱」の方はこの鉄柱がある地域自体が問題となります。読んでいて三津田さんと澤村さんとをイメージしました。

2021/05/15

アッシュ姉

朱川さん9冊目。今までとはまた違った雰囲気が味わえた2編でした。「白い部屋で月の歌を」は始まりと終わりの幻想的な美しさが格別。タイトルも素敵。主人公の境遇に切ない思いをしていたところの予想外のオチにはびっくり。まだまだ修行が足りないです。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作ですが、『都市伝説セピア』の収録作品の方が私は断然好み。「鉄柱」は面白かったけど、朱川さんらしさがあまり感じられなかったかな。安楽死がテーマの小説を立て続けに読んだ後ということもあり、しみじみ感じ入ることもなく、読むタイミングを間違えたかも。

2016/04/21

hit4papa

タイトル作は、霊魂を体内に入れ除霊のアシスタントをするジュンの物語。「白い部屋」に霊魂を閉じ込め鉗子で除去するイメージが面白いですね。男に刺され魂が抜けた女子に恋してしまったジュンに、庇護者の霊媒師は…。おっ!となる意外で残酷なラストが良い!「鉄柱」は、人生最良の日に自死=満足死を選択できる町の物語。不倫がバレて左遷された男。優しさに溢れる町に違和感を感じる男とその妻は、やがてミハシラと呼ばれる鉄柱での縊死を寿ぐ習慣に気づくのだった…。哀しいラストを迎えますが、死と生について考えさせられる作品です。

2021/02/11

yumimiy

本書は、第10回日本ホラー大賞の短編賞作なんですね。因みにこの時の大賞は遠藤徹氏の「姉飼」随分前に読んだけど気味悪い面白さだった。さて、本書の感想だが短編と中編の2作品。表題の「白い部屋で月の歌を」は、人間にいいように弄ばれる哀れなピノキオみたいな話。このピノキオの股間に巨根を創作した作者は悪い奴。「鉄柱」は、クロガネノミハシラと読む。一般的に死にたいと思い詰めるのは絶望時だろうが、ここ久々里町は絶好調の頂点に達した時に誰でも首を括れる公共の場がある。明日、今より不幸になるなら幸福時に命を絶つという発想。

2023/06/04

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