わくらば日記 (角川文庫)
わくらば日記 (角川文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
読友さんの紹介で。ほんのりセピアがかったノスタルジックな昭和の香り漂う、懐かしさに浸れる作品です。30年前を回顧し優しく丁寧に語る語り手は和歌子。当時のあの時代を象徴するような明るく無邪気で前向きな女の子。自分と違い、透明なまでの美しさと優しさを兼ね備えた病弱で儚げな姉、鈴音に憧れている。鈴音には過去を映像のように透視できる不思議な力が!それを警察に知られ、凶悪事件の真相を暴く手伝いを。鈴音が見るのは心優しき嘘や哀しき真実。和歌子の語りが全体を静謐に包みます。慈しむ様なしみじみとした感動に浸ります‼️🙇
2019/08/14
射手座の天使あきちゃん
人や物が持つ「記憶」を読み取る不思議な力を授かった姉は幸せだったのか!? 姉が体験した事件を、妹が追憶する物語です 時代背景のせいか、貧困、差別、人身売買、原爆と暗くなりがちな話題を登場人物の個性で「ほんのり」と仕上げて読味絶佳ですぅ!!(笑) 姉さまに毎年届く年賀状に (/_;) でした
2011/09/19
takaC
今月の29の日(ブックの日)に支払総額を(50円オフクーポンもらえるユニットの)250円の倍数にするための調整目的で買ったのだけど読み始めてみたら結構面白かった。でも、この終わり方では続きが気になって仕方がないではないですか。続編を手配しなくては。図書館にあるかな?
2014/10/31
マーム
初朱川作品。過去の出来事を見ることができる能力を備えた鈴音を姉に持つ和歌子が語る物語。高度成長期の昭和中頃の雰囲気が物語にえも言われぬ色彩とノスタルジックな趣を与えています。望みもしないのにそんな能力を有していたら、難儀だろうなと思ってしまいます。そう、ちょうど火田七瀬のように。こんな力、要らないと言って泣く鈴音の姿は切ない。でも、地球上に降り注ぐ流星塵の過去を覗いた鈴音が、真っ暗な中に青く浮き上がるように光る地球を見たときばかりは、はやぶさのラストショットが思い出されてこの能力が羨ましいなと思いました。
2012/03/15
文庫フリーク@灯れ松明の火
わくらば=病葉は知っていたが若葉を意味する わくらばも有ること初めて知った。異能力を持つ《姉さま》主人公《妹・ワッコ》《苦界にいた茜》柔道四段でしつけに厳しい《母さま》爬虫類の笑顔《神楽百合丸》姉さまの異能力で事件は解決されていくのに、肝心な謎―姉さまはなぜ27歳で亡くなるのが。なぜ父さまは別居しているのか。続編が気になります。著者略歴を見るとほぼ同年代。昭和生まれには、キャラはもちろん舞台設定そのものに惹かれます。神楽が独身なら茜と結ばれそうな気がするのですが。
2010/08/03
感想・レビューをもっと見る