雷桜 (角川文庫)
雷桜 (角川文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
いつもの宇江佐さんらしいからぬ、文章の硬さに導入で戸惑ったものの...ああぁ、これは、私の大好きな「かなわぬ恋」の雛型のような作品ではありませんかっ!(つД`)ノ「そちと予の気持ちが一つであることが予にとっては重大なことに思える。この先どうなろうと、予がそちを愛しいと思う心に偽りはない」からラストまで、涙なくしては読めませんでした。「離れて暮らしておろうとも心が通じていれば、それでよいとは思わぬか?」ハイ、殿、御意にございますぅぅぅ❤️いま現在、恋してるあなたも、そうでないあなたも、ぜひぜひ(*^_^*)
2016/01/31
hiro
宇江佐さんがご逝去されたことを知って、以前映画を観た後、直ちに購入したが積読本となっていたこの本を読むことにした。もちろん映画を観たのでストーリーは知っていたが、大変面白く読むことができた。将軍家斉の十七男として生まれるが、鬱積した感情を持って育った斉道と、庄屋の娘として生まれたが、隣り合う藩の争いに巻き込まれ赤ん坊のときにさらわれ、山中で育った狼少女の遊、この出会うことなどないはずの二人が出会ったとき、何が起こるのか。もちろん、だたの身分を越えた愛ではなく、娘が狼少女という奇抜な設定が効いていた。
2015/11/23
かなっぺ
初読み作家さん。作家さんの別の本をお気に入りさんの感想から知る事となり、読む機会を得ました。時代小説も初読みでした。なので初めは私は読めるのか?と不安もありましたがなんのその。とてつもなく大満足です。恋愛物、ラブストーリーは苦手だと思っていたのですが、そんな考えを木っ端微塵に吹き飛ばされました。単に叶わぬ恋というだけではなくそれぞれの登場人物の気持ちや想いに切なくなります。後半ボロボロ泣きながら読みました。遊という登場人物の寂しい気持ち、また11代将軍のご子息斉道が亡くなる間際に残した言葉は→
2017/09/09
のり
瀬田村の庄屋の娘(遊)が、藩のいざこざで拐われた。村民あげて捜索するが見つからず…次兄の助次郎は、見聞を拡げる為に江戸へ。そして御三卿の清水家へ中間として仕える事に。時を同じくし、遊が突然戻る。危険な瀬田山中で生きてきた事情が明らかになっていく。助次郎が当主の斉道の病を癒すべく、ご用人の榎戸と奔走する。そんな斉道と、山育ちの遊が出合い、まさかの展開に…とにかく、子を想う親心、兄妹愛、家臣の忠誠心、純愛。全てにおいて感動の連続。読みごたえ十二分だった。(^o^)
2017/05/12
じいじ
素晴らしい小説です。このズシンと響く感動の余韻は、しばらく残ることだろう。充実したストーリーの面白さ、情景描写の美しさ…、そして全体を貫くスケールの大きい遠大な物語に唯々感動しました。11代将軍の血を引く青年武士と庄屋の娘との叶わぬ恋を柱に展開する話は飽きさせません、面白いです。同時に進行する家族愛、兄妹愛など丹念に描かれた人間ドラマに胸を打たれた。涙しました。なぜ?もっと早く読まなかったのか、悔やまれる宇江佐真理の秀作です。
2017/07/01
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