閃光 (角川文庫)
閃光 (角川文庫) / 感想・レビュー
散文の詞
また、あらすじを読まずに読みだしたら、あの「3億円事件」を扱ってました。 色々言われていますが、あの当時の警察が解決できなかったとは思えないので、それを知らされていないだけなんだろうと思ってました。 本書は、プロットも練られていて比較的読みやすくかなりの長編ですが、ドキドキして読めるのではないでしょうか。 しかも、ちょっと変わった角度から、「3億円事件」に迫っていく感じは、実際にありそうで、実にうまいです。 多少強引な部分もありますが、これも、一つの結末としては面白いのではないでしょうか。
2020/07/22
ちょこまーぶる
読後には深く「読んだぁ~」と唸っしまうぐらい面白かった一冊でした。あの三億円事件をベースに当時の捜査関係者が定年退職を目前にその真相の決着をつけるという感じなんですが、その過程を読み進めている時のワクワクした自分の心の状態と言ったら尋常じゃなかったですよ。それから、老刑事と若い刑事2人の刑事の掛け合いからは、いつ空中分解しても可笑しくないのに心底では認めあっているんだろうなぁ~と微笑ましくなったりという思いで読み進めました。しかも、読後にこの内容が本当の真相なんじゃないかと思わせるほどの緻密さで驚いたな。
2018/08/04
坂城 弥生
昭和の大事件3億円事件をベースにした警察の物語。止まった時が動き出して、全てを呑み込む濁流に変化していくのにゾクゾクした。
2021/04/26
GaGa
三億円事件をモチーフにしたミステリーとしてはなかなかよく出来ている。ただ少しだけフーダニッドの部分が強引かつ弱い。ラストの対決が今一つ感情移入できないのは、殺人犯の描き方がやはり今一つ足りないのかなあ…特筆すべきは片桐、杉田の肉弾戦。アホだな~と思いつつもこういうぶつかりあいは血沸き肉躍る。男って馬鹿ね(笑)
2011/07/22
B-Beat
◎いわゆる「3億円事件」。この事件についてはその衝撃度、話題沸騰ぶりが記憶の片隅にある程度。そんな自分が迷宮入りしあっさりと時効が成立したこの事件の背景を改めて窺い知ってみると「やはり、そんなものだろうな」と妙に納得がいく。登場人物は多く、それぞれの濃淡というか強弱によって感じ入ったりあるいは物足りなさを感じたり、納得したり、懐疑的になったり。そういう細部の理論的構成をあれこれと重箱の隅をつつくように読むよりは、眼前に繰り広げられる壮絶な描写を想像力逞しく一気に読み切る方が楽しいだろうとは思うけれど。
2015/05/31
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