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水の繭 (角川文庫)

水の繭 (角川文庫)

水の繭 (角川文庫)

作家
大島真寿美
鈴木成一デザイン室
出版社
KADOKAWA
発売日
2005-12-21
ISBN
9784043808014
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水の繭 (角川文庫) / 感想・レビュー

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❁かな❁

久々で大島真寿美さんの作品読みました。両親の離婚でお母さんと双子の兄がいなくなり、お父さんまで亡くなってしまった、とうこ。そのまま時間が止まってしまい、抜け殻のようになる。従姉妹の瑠璃の存在に救われる。他の登場人物もそれぞれに抱えている。瑠璃が教えてくれた、とうこのお父さんの語った言葉が強く、とても温かい*瑠璃の素直な気持ちにも涙。大島さんの静かで透明感のある文章が心に沁み渡るよう。大切な人を失った喪失感は消えないけれど、少しずつ前に進むことはできる。角田光代さんの解説も素敵。優しく穏やかな再生の物語*

2017/06/10

なゆ

むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある…。両親の離婚で母と兄がいなくなり、そして父も亡くなり、大学生のとうこはひとりぼっちに。家出を繰り返しては転がり込んでくる従兄弟の瑠璃がいなかったら、とうこは抜け殻のままだったかもしれない。宇宙の捨て子、そんなふうに思うほどに。瑠璃の言った、「絶対楽しいなんてむちゃを言ったらそりゃだめだよ。ちょっとでも楽しいっていうのを、いちいち確かめるんだよ。相対的ってそういうことでしょ?」そうやって、どうにかやってきた瑠璃の強さに救われる。でも後半不思議すぎたかな。

2016/03/03

あじ

解体した一家の空間を満たすように流れこむ水。人肌に温められゆく水に、とくんとくん聞こえる。息を吹き返す一家の営み。ちゅるんと胸に滑り落ちた心音が、不思議と私に連動した。★3.2/5

2018/10/14

エドワード

陸ととうこは双子の兄妹。両親が離婚し、母と兄が別居する。やがて父も亡くしたとうこの元へ、従妹の瑠璃が転がり込む。とうこと瑠璃が幼い頃遊んだ廃屋を改修して喫茶店を開く夫婦と知り合う二人。楽しげだが、儚い日々。ある大雨の夜、とうこは思う。「むかしむかし、あるところに、私たちが家族だったころはある。だけれども、それはむかしむかし。私たちはもう家族じゃない。だから、なに?そんなことは、ここではどっちだっていい。ここは、今。おとぎ話はもう、おしまい。」大人になる哀しさを見事に表現した文章。全てのかつての子供に贈る。

2023/09/06

うさうさ

喪失と再生を透明感のある文章で描いた作品。心に空洞を抱えた人たちを静かに包み込むような感じで描かれていて、どこか実態のないふわふわした印象を受けた。

2015/09/06

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