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宙の家 (角川文庫)

宙の家 (角川文庫)

宙の家 (角川文庫)

作家
大島真寿美
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-12-21
ISBN
9784043808021
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宙の家 (角川文庫) / 感想・レビュー

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エドワード

私は未だかつて4階以上の場所に住んだことがない。11階という高層階に住む中学生の雛子と小学生の真人にとって、自宅は「宙の家」。一面の空、街の喧騒、地面に住むのとは明らかに異なる感覚に違いない。そこに同居することになった祖母は景色をどう感じていたのだろう。宙の家で死んだ祖母、家で営まれる通夜、驚きの連続の冬の物語。みずみずしい姉弟の体験のひとつひとつが新鮮だ。続編の「空気」は真人の同級生の風変わりな兄と雛子の夏の物語。少年少女にとって、夏は不思議なことが起きる季節だった。これが大島さんのデビュー作なのだね。

2021/04/27

巨峰

大島さんのデビュー作。地上11階にすむ女子高生の主人公の家族は両親と、小学生の弟、そして祖母の5人家族。その祖母の状態がおかしくなった時から、家族が軋みだす。表題作より、その続編『空気』の方が面白かった。そんなに面白いストーリーがあるわけではないです。作者の感覚や表現がユニークかつ個性的。感性がいい感じ。だから、1行1行ゆっくりじっくり丹念に味わいながら読まないとこの小説のよさはわからないと思う。

2010/09/01

En

大島さんのデビュー作。「昔々からただただ眠り続けて」過ごしてきた雛子は、学校から帰ってくると寝てしまい、夏休み中も寝ている。しかし本当はその前から、ずっと寝ていた―。「眠り続けることの困難に気づいた時から、どこかで起きようとしていた。」この本には、少女が大人になる手前の手前の一歩くらいを踏み出す過程が描かれている。物語の終わり方がさわやか。

2014/01/30

U

ああ、なんか、分かるなあ、そういうふわふわとだるくてはっきりしない感覚、あるなあ。真人の泣ける、っていうのがせつない。でもお母さんの酷いと思う気持ちも分かるんだよなあ。これはそんなに酷くないけど、認知症は、うん、つらい。「空気」の夏に柔らかく殺されそうな空気が良かった。雛子と新庄兄弟とのそれぞれの、水の上をそっと渡るみたいなおぼろげな会話がじわじわと染みました。良ちゃんがいいキャラしてるなあ。

2013/03/13

くろにゃんこ

最近の大島作品とは違うな~と思っていたら処女作だそうです。マンション11階・・・高所恐怖症の私に住むことはできません。読んでいても宙に浮いているようなユラユラした感じが何ともいえない。

2012/07/02

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