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チョコリエッタ (角川文庫)

チョコリエッタ (角川文庫)

チョコリエッタ (角川文庫)

作家
大島真寿美
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2009-03-25
ISBN
9784043808038
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チョコリエッタ (角川文庫) / 感想・レビュー

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ユメ

「犬になりたい」と願う知世子の願いがひりひりと沁みてくる。自分ではない何かになりたい、そんなことは叶わないから死んでしまいたい、でもそれは怖い。共感できるだけに、彼女の投げやりな言動が痛ましかった。心の中でジェルソミーナと対話していたように、悔しいけれど、そう願ってしまうことがまさに生きている証なのだ。モノクロの世界を生きてきた彼女が色を取り戻す夏。良いことか悪いことかはわからないけれど、歩き続ければきっと道の先に何かがある。だから空っぽなんかじゃない。いつかあの瞬間を、愛おしさと共に思い出せますように。

2015/06/12

いたろう

フェリーニの「道」へのオマージュと聞き、映画がすごく気になっていたが、結局、観ないうちに公開が終了してしまったため、代わりに手に取った原作。高二の夏、「道」でジェルソミーナがザンパノと旅にでたように、チョコリエッタ/知世子は、映研OBの正岡と毎日撮影の旅に出る。脚本のない映画、チョコリエッタのモノローグ。夏が終わり、チョコリエッタの姿を映画に残して、知世子は知世子の「道」を歩み始める。ジェルソミーナのテーマの余韻が深く心に残る。

2015/02/11

エンリケ

幼い頃に母親が亡くなった少女が主人公。全てに投げやりで常に不機嫌。およそ感情移入しにくいキャラだが、唯一の友達だった愛犬まで亡くしては無理からぬところか。作中頻繁に出てくるフェリーニの映画。そのせいか作品を通じてどこかヨーロッパ映画の様な雰囲気を感じた。特に映画「道」のヒロインに自分をなぞる主人公。そこに危うさと憐れさを感じてしまう。そして映画に仮託して自分の存在感を模索する。彼女も平凡に愛情に飢えていたのだろう。心の空虚を埋める事が出来るのは肉親の愛。ほんのりそれを感じられたのでやや安心して読了。

2017/05/11

coco夏ko10角

政宗先輩がなんだか気になる人だった。解説でもあったけど、アイスの棒のくだりがやはり印象的。逆に「あの頃、何度も思い出すことになるとは全く…」という場面もあるし。

2016/10/31

あちゃくん

繊細な女の子、チョコリエッタのお話。自分の子供の頃を振り返り見て、こんなにセンシティブだったかななどと思ってみたり。人間、適切な時期に適切に傷つくことは必要な事なんじゃないかななどと思ってみたり。

2014/12/03

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