四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)
四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
京大生が綴る妄想アナクロニズム小説。灰色の受験生生活をようやく脱して、大学で「薔薇色のキャンパスライフ」を送らんとする「私」の手記のスタイルをとる。本書の特質は、そこで4つのパラレルワールドを妄想するところにある。すなわち、映画サークル「みそぎ」、「弟子求む」、ソフトボールサークル「ほんわか」、秘密機関「福猫飯店」がそれである。4つの物語は、それぞれこれらの学生生活を生きるのであるが、そこでのエピソードには共通項が多い。すなわち、「神話」の祖型となる物語群である。これらが、トータルに開示された時、そこに⇒
2019/02/02
遥かなる想い
森見登美彦の本では一番面白いという話を聞いて読んでみた。面白かった。4つのパラレルワールドが微妙にクロスし、登場人物たちがいきいきと跳ねている感じ。アニメ化されたようだが、読んでみて元気が出る本である。
2011/04/02
風眠
バラ色のキャンパスライフを夢見る、冴えない大学3回生の「私」(男)。いっそのこと1回生からやりなおしたい!と、迷い込んだ並行世界。ほんの少しずつ違う4つの物語の中で「私」の奮闘むなしく、どの世界でも最後には、やっぱり冴えないアホ大学生に行き着いてしまう・・・。漫画家や小説家がよく「登場人物が勝手に動き出す」ってゆうようなことを言ったりするけど、まさにそういう感じで書かされたのじゃないかと思う。ひとつの物語をベースに、さまざまなパターンを妄想・・・いや、創作したモリミー万歳! 間違い探しのような中編4つ。
2013/03/09
チェシャ猫
最初読みにくいと思ったけど途中から熱中してしまった。ifの先にある平行宇宙。憎めない悪人の小津や師匠、明石さんなど。読むほどに行った事の理由がわかっていって面白かった
2013/11/20
ちょこまーぶる
構成力に関心するけど、頭の中の整理が追い付かなくなってパニックに陥った一冊でした。つまり、この本は1日1章という読み方を勧めたくなります。でも、それぞれの世界の冴えない大学生達の姿が妙にリアルで、現実にそれぞれの世界でもがいている大学生がいるのでは・・・と思わざるえない感覚になりましたね。流石です。で、気になるキャラは自由人樋口師匠ですが、自分が学生の時に出会っていたら4年で絶対卒業できなかっただろうと思いましたね。でも、逢ってみたい思いです。そして、京都に行く時にこの本をチョイスして良かったと思った。
2015/06/02
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