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トンコ (角川ホラー文庫 す 2-1)

トンコ (角川ホラー文庫 す 2-1)

トンコ (角川ホラー文庫 す 2-1)

作家
雀野日名子
出版社
角川グループパブリッシング
発売日
2008-10-25
ISBN
9784043924011
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ジャンル

トンコ (角川ホラー文庫 す 2-1) / 感想・レビュー

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Bugsy Malone

余談ですが次男君が農業高校に在籍していた3年間、毎年文化祭で子豚さんに会える事が何よりの楽しみでした。表題作のトンコはそんな養豚の名前です。出荷途中の事故で逃げ出したトンコ、声はすれども姿の見えない、先に出荷された筈の兄妹豚を探し求めて彷徨い歩きます(も1つ余談ですが以前有料道路を歩いていた豚さんに出会った事があります)。愛おしいです。その仕草も啼きかたも、兄豚の放屁の音さえ愛おしく思えてしまう程。でもこのお話しはホラー。無垢なトンコにとっては例えようも無く残酷なお話し。切ないです。でも豚肉も大好きです。

2018/05/29

いこ

読み友さんから「ホラーというより哀しい話」と聞いていましたが、これ程とは…。トンコは「食用豚」です。出荷されるトラックに乗せられた時から、既に出荷された兄や姉の声が聞こえます。トンコを乗せたトラックが事故にあい、トンコは兄姉たちを求め逃げ出します。兄姉の声を聞き、兄姉の匂いを追い、辿り着いた先でトンコが見た物は…。読んでいる内に、いつの間にか自分も「豚目線」になり、人間や犬が怖くなります。自分がトンコとなり、兄姉を必死に探します。そして行き着く悲しい結末。…もう豚肉は食べたくありません。他にエグい話2編。

2022/06/28

★Masako★

★★★✰︎第15回ホラー小説大賞短編賞受賞作「トンコ」他2編が収集された短編集。「トンコ」…運搬トラックが事故で横転。脱走した子豚「トンコ」は、先に運び出された兄弟たちの匂いを追って徨い続けるが…わぁ~、切ないなあ。トンコと一緒に彷徨う内に愛着が湧いちゃってラストにじわり。親に愛されたくてゾンビになりたいと思う少女の物語「ぞんび団地」も純粋な少女の気持ちが哀しく切ない。兄が妹の首吊り自殺の原因を探る「黙契」は、一番ホラーっぽいが兄弟愛が胸を打つ。どの話も怖くはないが、哀しく切なく心に沁みる。【図書館本】

2021/06/20

sin

『トンコ』あたりまえの事のように僕たちは命をいただいている。旨いといって奪い合い、良くないといってしりぞける。この物語のどこがホラーだろう?食肉の豚の行く末か?はたまた無神経に糾弾する、あるいは無責任に同情する人の有り様か?強いて云えば逃げた彼女に語りかける兄弟姉妹の鳴き声、放屁がホラーであろうか?弱肉強食は生態循環であり、すべからくこの地上の生き物は生きるために死に、死ぬために生きている。『ぞんび団地』未成熟な大人が子を持つ不条理とあっちゃんの健気に涙。『黙契』その選択は卑怯だ!遺された者が救われない。

2021/07/09

はらぺこ

表題作『トンコ』は豚目線で考えればホラーなんやろな。人間達はヒステリックで滑稽。自分の中では豚=映画『ベイブ』やから子豚をイメージしてもうたけど、百キロ強の豚が目の前におったら確かに怖い。 『ぞんび団地』が1番好き。あっちゃんが健気でセツナイ。読んでると漫画チックなゾンビを想像してしまう。特にゾンビになる方法を探ってる時のゴンが最高。それにアイツを放置しなかったのも良かった。 『黙契』は他の2作に比べると普通のホラーかな?でもゾッとする怖さは無い。 

2011/05/09

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