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世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)

世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)

世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)

作家
内澤旬子
出版社
KADOKAWA
発売日
2011-05-22
ISBN
9784043943951
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世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

「あとがき」によれば、「あなた(著者)と同じ感覚を持った日本人は20人に1人」というが、私の感覚からは100人に1人くらいか。なにしろ、屠畜(著者の造語ではないが、屠殺の持つ負のイメージを払拭すべく)の現場を積極的に観察し、あわよくば自分も参加したいというのだから。ただ、翻って思うに、ここで著者も指摘しているごとく、あなたも肉を食べるではないか、と言われれば全くその通りなのだ。そんな現場を見たくはない、というよりは避けてきたのだ。マグロの解体ショーは見られても子牛のそれは見られない。その一線は何なのだ。

2018/09/29

小梅

内澤旬子さん2作目。この人好きだ〜(#^.^#)私はベジタリアンではないからお肉食べます。お肉大好きです。でもスーパーやお肉屋さんで買うお肉を見るだけだと、あの大きな牛を食べてる実感がないですよね?でも私たちが美味しく食べてるお肉は必ず「牛」から沢山の人の手により「お肉」になっているのです。内澤旬子さんと同じく私も自分が食べてるお肉が「牛」から「お肉」になる過程をしっかり見て、有り難く命を頂きたいです。作中で「ベジタリアンだって植物の命を頂いてる」に目から鱗でした。

2014/11/27

ゆいまある

各国の屠畜と差別ルポ。リベラルなインテリとして生きてます。動物愛護の考えに染まり、マクガバンレポート(肉食は悪いという陰謀論)に嵌り、革製品すら余り持っていない自分にはショックが大き過ぎて一度に読めず、間に飼い喰い挟んで、内澤さんが屠畜業、皮なめし業だけでく、動物にも敬意を持って殺して食べているということを理解した上で漸く読み切った。魚は台所で捌くけど、屠畜は生活から切り離されすぎているのが想像力を悪い方向に助長していると思う。部落解放運動にも関わったことあるけど、屠畜と差別は同軸では語れないとは思う。

2020/07/24

流言

美味しそうだからと手に取った本だが、想像していたのとは違った角度からの屠畜が掘り下げられ、色々な分野に興味が広がった。屠畜に偏見はないつもりだったが、それはリベラルだからではなく知識がないからであって、屠畜は宗教や政治、文化といった様々な背景があることを知って興味深かった。モンゴルではチベット仏教が信仰されつつも社会主義によって分断されたことも、韓国では儒教国であるが故に仏教僧の地位が低かったことも、インドではヒンドゥーの影響でベジタリアンが多くムスリムとの軋轢を産んでいることも知らないことばかりだった。

2015/11/25

saga

著者の本は2冊目だ。初読みは『身体のいいなり』で、サバサバした筆致に好感を持った。本書は題名どおり世界の屠畜の現場を踏んでの紀行文。そして、屠畜にまつわる差別を探求する目的もある。私たちは牛、豚、鶏、羊などの獣肉を食べて生きている。しかし、自分で解体処理して……というのは稀だろう。死と同じく、屠畜から目を逸らしていられる「世界」に住んでいるからこそ、経済動物と言われる生き物の命を無駄にしてはいけない。米国の、システム化された屠畜が生む差別にも考えさせられた。

2024/05/22

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