帝国の娘 上 (角川文庫)
帝国の娘 上 (角川文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
著者は『革命前夜』の須賀しのぶ。それでこのタイトル。この表紙。大いに期待して購入。書店で現物を見てからにするべきであったか。初出は、21年も前のコバルト文庫であるらしい。須賀しのぶの初期の姿を見ることができたのを良しとすべきか。萩尾望都でさえも初期作品は絵がヘタだった。それが豹変し始めたのは'80年代に入った「A-A'」のあたりからだったか。さて『帝国の娘』だが、裏表紙の惹句には「魂ゆすぶる大河少女小説」とうたうが、残念ながら魂はゆすぶられなかった。わずか上下2巻で「大河小説」というのも疑問だ。
2020/11/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
茅田砂胡さん『デルフィニア戦記』文庫版・北上次郎さん解説で気になっていた本書。ルトヴィア帝国次期皇帝候補となる男児は14歳になる前に、選帝に備えカデーレ宮へ入らねばならない。もし入らねば、皇位継承権を放棄したと見なされる。病に倒れたゼカロ公国の皇子が回復するまでの身代わりとして、本人の意思問うこともなく強引に徴用された猟師の娘・カリエ14歳。瓜二つの顔を持つアルゼウス皇子の代役として、側近のエディアルドが厳しく仕込む学問・剣・礼儀作法etc。『マイ・フェア・レディ』ならぬ『マイ・フェア・プリンス』→続
2015/10/24
mariya926
「革命前夜」で発掘した作家さん。音楽とドイツで痺れましたが、今回はファンタジー!?薬で眠らされて連れ去られた場所は王宮?なんと皇太子が病気で死にそうなので、そっくりな女性を連れてきて皇太子の身代わりをさせる物語。なんかどっかで聞いたような、漫画とかでたまにありそうなスタイル。気になっている作家さんだけに、ここからどうなるか気になります。庶民的な感覚を持った皇太子が、世の中を変えていくストーリーになるのかな?
2024/08/04
nins
一人の少女が運命に翻弄されながらも成長していく物語。漁師の娘のカリエが森で狩りで出会ったエディアルドと名乗る青年に誘拐される。アルゼウス殿下に瓜二つであるカリエは、病で伏せるアルゼウス殿下の身代わりとして生きることに。次期皇帝の選定という陰謀に巻き込まれていく。少女でありながら男の身なりと作法。訓練に訓練の日々。出てくる登場人物達は魅力的。コバルト作品がまた一つ角川文庫へ。こういった作品が角川文庫で出版されるのは嬉しい。このまま怒涛の後半へ。
2013/01/08
ゆのん
小さくん貧しい村で育った主人公。ある日皇子の身代わりとして攫われてしまう。養父母の為に厳しい生活に耐える。いわゆる大河物。もともと少女小説レーベルでかなり長いシリーズらしいが一作目だけ文庫化されたとの事。読みやすくかなり面白いので続きを読みたくなった場合、コバルト文庫を購入するしかないところが難点。いよいよ皇子宮に入る訳だが新たな試練を乗り越える主人公に期待し下巻へ。
2018/07/19
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