世界の名作を読む 海外文学講義 (角川ソフィア文庫)
世界の名作を読む 海外文学講義 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
かふ
工藤庸子の文学講義。『ドン・キホーテ』から始まるのが嬉しい。全体的にモダンな作品を扱いながらポスト・モダンな読みかな。フローベルのキッチュな『純な心』とか。カフカ『断食芸人』は作品とカフカ自身を重ねて涙が出そうになる。そして『失われた時を求めて』も。フェミニズム関係では『ジェイン・エア』をヴァージニア・ウルフにつなげて解釈する。「開かれた文学」なのだ。一つの作品がそこで閉じるのではなく次の読書に繋がる。そんな文学の楽しみ。最後のカルヴィーノは引用が出来なかったが、カルヴィーノの初期はリアリズム文学なのだ。
2023/09/26
ユーカ
これも知ってる、あれも知ってる、というタイトルと作家ばかりだけれど、「読んでいる」と侮るなかれでした。大昔に読んだものは細かいディテールは忘れているし、比較的最近読んだものでも解説されてみると「そんな読み方してなかった!」となる。あと、この本には各章に「読書案内」が付いていて関連本情報があるのです。再読も含め、読まなければと思う本が積みあがります。比較的たっぷり作品の引用がされていて作品の文章に直に触れられるので、頭の上で解説だけがされている感じがしないのもとても良かったです。
2023/05/22
kibita
子供の頃に読んだ名作。これらは大人になった今こそ読み返すべき、と痛感した。「ロビンソン・クルーソー」も「八十日間世界一周」も、上から目線の文明人ヨーロッパ人至上主義とか、目から鱗。子供の頃はそんな視点はなく、ただ単に冒険物として、それはそれでいいのだが。放送大学の講義テキストの改変らしいが、とても分かりやすくて、おすすめ。
2023/09/02
吟遊
19世紀ヨーロッパ小説を中心に、世界古典文学を読む、放送大学の講座をまとめたもの。初出は2007、それを2度、改訂してこの角川ソフィア文庫に至る。工藤庸子さんがメインの編者、執筆社。フェミニズムとポストコロニアリズム(植民地主義を批判的に検討)がふたつの柱と言える。それぞれの作品の読み解きのために、参考文献がついているのだが、これが秀逸だと思う。
2016/08/30
ちぃ。
面白かった!
2022/01/16
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