米原万里ベストエッセイII (角川文庫)
米原万里ベストエッセイII (角川文庫) / 感想・レビュー
yumiha
「人類共通の価値」の章を読みスカトロジーという言葉を知る。ベトナムの美女たちが平安神宮で歓声を上げ叫んだ言葉が…よく似た音の言葉が他国の者にとっては下ネタにつながる笑いを思えば、どこの国でも下ネタが好きちゅうことなのね。「創造的な判決を下す裁判官の判例」も楽しい。ふつ~の罰金とか量刑ではない「創造的判決」に感心したり笑ったりさせてもらった。酔っぱらい過ぎだと思うエリツインや長広舌過ぎるゴルバチョフ、また妻を愛し過ぎるサハロフには、親しみを感じさせてもらった。えらいさんもただの男なのねん。猫の話もよかった。
2022/02/14
KEI
エッセイ集第2弾。通訳として二つの言語の間の架け橋となる意味、その難しさ、滑稽さが面白く、言語は違っても下ネタに関する言葉の多さにクスッと笑ってしまいました。ベトナム語の鳩、アダムとイブのイチジクの葉は何故落ちないのか?驚くばかりの博識とユーモア!ロシア語通訳として関わった有名人のエピソードにこんな事まで暴露しちゃって大丈夫か?(笑)エリツィン、ゴルバチョフも形無しです。反面、「国家機密の隠し方」で述べている平和や活動についての舌鋒は鋭く、もしご存命なら今の日本をどの様に表現されたかと早逝を残念に思います
2017/08/07
アーちゃん
図書館本。ほとんどが再読でしたが、やっぱりロシアネタは面白い。読んでいて思い出したのが「旅行者の朝食」。20年前のエッセイなのに、今読んでも古さを感じることなく楽しめるのは米原さんならでは。今更ですが、実に惜しい方を亡くしたと思います。解説の斎藤美奈子さんの米原万里論も秀逸。
2019/01/10
taku
誰が何を基準に選んだのか知らぬが、既読も未読も、やはりこの人は知性に裏打ちされた鋭さとユーモアがあり、所々毒を垂らすことも忘れない。通訳業の裏話や苦労話、プラハでの少女時代、言語や文化の話が好き。ペットと家族のことを除けば話が上手な人だ。米原さんのエッセイはいい、いいんだ。ただね、嘘つきアーニャ、オリガ・モリソヴナのような傑作をまた読ませて欲しかったと思ってしまうよ。早すぎたよな。
2017/08/18
ドナルド@灯れ松明の火
米原さんのエッセイ集。ほとんどが既読なのだが何度読んでも鋭いし面白い。がん闘病の一文は初読だが、近藤の癌理論に傾倒していたことがわかりとても残念だった。近藤論の為に治療が遅れあたら助かる命を失わせた罪(殺人罪にも等しい)は重い。米原さんが亡くなって早10年も経ったのかと感慨深い。惜しい人を失くした。 お薦め
2016/06/27
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