パピヨン 死と看取りへの旅 (角川文庫(学芸))
パピヨン 死と看取りへの旅 (角川文庫(学芸)) / 感想・レビュー
シンシア
お父様の死に至る体験と、キユープラロスの考えをクロスしながら、死とは何かを問いかける。それが正しいのかどうかは、わからないが考えることに意味がある。死者がパピヨンになって現れるのであれば、生きているものは救われるのかもしれない。私にはまだわからない。
2015/11/15
湖都
著者の父の最期の日々と、異端の医師キューブラー・ロスを中心に描かれる、死についての本。図書館ではエッセイに分類されていたが、啓蒙書のような気もする。末期癌の家族、それも決して良い父だったとは言えない人を、どう見送るか。死をどう受け止めるか。普段こんなヘビーなことを考えないため読んでいる間も重たい気分だったが、だんだんと「なぜ人は死から目を背けるんだろう」という気になってくるから不思議だ。あとは、死者が蝶になってやってくるというのは、霊感のある母と伯母が普段から言っていたので、むしろ当たり前感。
2018/03/01
Sakie
自身の死を受容する。身近な人の死を受容する。どちらにも人は慣れたりしないし、その取り返しのつかなさに迷い、不意に襲う悲しみにひしがれる。『死んでいく人の言葉をよく聞きなさい。死にゆく人に学びなさい。死はたった一回だけのチャンス。死にゆく人はこの世界でなにが一番大切なのか、価値あるものなのか知っている…』。死にゆきつつある祖父。様々な事実が現れつつある。私はまだまだ傲慢で、ありのままではないと感じる。自分を偽っているかぎり平安ではないという。エリザベス・キューブラー=ロスの思想は理解しがたかった。
2013/10/16
くま
ところどころ引用されているロスの言葉がこころに残る。この本を読んで、心に響いた言葉がたくさんあり、伝えたいことがいっぱいあるけれどうまくいえない。読んでみるのが一番いいと思う。
2012/11/06
choike-voike
田口ランディ氏とは全く面識が無いにもかかわらず、その著作を読んでいる時に、いつも友人の長い日記を読んでいる感覚になるのは何故だろう。文庫化に当たり、サブタイトルが付いた本作も同様だった。チベット高原での瞑想体験、その地で偶然興味を持った、精神科医・キューブラー・ロス関連の取材、尋常ではない確執のあった父親の看取り、看取りを通して近づくロスの真意、解説者が表した通り、これは魂の旅の一部の記録。個人的に興味深いのは哲学者・ラズロ博士とロスの説の共通店と最終章の蝶体験の話。一気読みした。
2012/05/12
感想・レビューをもっと見る