千夜千冊エディション 物語の函 世界名作選I (角川ソフィア文庫)
千夜千冊エディション 物語の函 世界名作選I (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
このシリーズも17冊目ですでに18冊目も出ています。世界文学の名作選ということでギリシャの古典から近代の作品まで24冊の紹介がなされています。松岡さんの凄いところは、このような作品でも書かれたその国の時代背景やその作品の立ち位置などかなり詳しくまたそれぞれの参考文献も収められています。単なる読書感想ということではありません。異読の本がほとんどでしたので読むに際しても非常に楽しめました。
2020/10/26
まこみや
物語を読んで得心がいくということがある。それは完全に理解したという気持ちではない。喩えるなら、どの鍵が合うかわからずに入ることが叶わなかった部屋の扉が、ある鍵がぴたりとはまってカチャリと扉が開いた感じとでも言えばよいだろうか。古典・名作と称される作品ほど、読み終わってボゥーッとしてクラクラした頭の中でぼんやりと感動はするけれど、いざその感動の内実を納得しようとするとき、一体どこから手をつけたらよいのかわからない。そんな五里霧中のなかで作品という山に登る脚がかり(と挑発)を『物語の函』は示してくれている。
2021/03/03
ハルト
読了:◎ ギリシャ「オデュッセイアー」からロシア「アンナ・カレーニナ」までの二十四点の名作古典のブックガイド。著者独特の視点から作品を読み解く。参照本もついていて親切設計。その作品の遍歴や背景、成り立ちなんかもあって深く知識に沈める。高品質の読書エッセイでもあり、あらたな読書経験の開拓に繋がると思った。
2021/01/25
Masato Hayakawa
松岡正剛さんによる最強ブックガイド物語篇。絶対面白い奴じゃんと思って読んだら、想像以上に面白いやつでした。ユリシーズ原文と格闘中なので、のっけのホメロスのところからガツンとやられ(ホメロス来年こそは、読みたい)、神曲、アンナカレーニナへの正剛さんの熱にあてられ、読みたい本のリストが更に長くなりました。アンナカレーニナは再読したいなぁ。そして、カラマーゾフの兄弟の大審問の話は、やっぱり難しい、、
2020/12/05
森江 蘭
世界文学の中でも、主に19世紀までを扱う全編。神話ではない、物語のルーツとして、ホメロスの『オデュッセイア』を巻頭に戴き、ダンテ、ラブレー、シェイクスピア、セルバンテスという古典の完成期を網羅し、ゾラからメリメ、トルストイ、ドストエフスキーへと近代文学の幕開けまでを連ねた一冊。ううむ、まだまだ読んだことのない古典がたくさん。人生は本を読むのにあまりに短い。嗚呼!
2022/02/28
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