増補 「戦後」の墓碑銘 (角川ソフィア文庫)
増補 「戦後」の墓碑銘 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
阿部義彦
角川ソフィア文庫。時事評論の類は滅多に面白いとは思わないのですが、これは例外。安倍政権の正体、モリカケ、SEALDs、原発問題、沖縄翁長雄志氏当選、「緑のタヌキ」こと小池百合子知事、このくにが「美しい国」どころか限りなく「恥ずかしい国」となった経緯をバッサリと斬りまくります。トランプが勝ってもクリントンが勝ってもそんなのは丸で関係ない!何故ならアメリカがどのような国になろうが、それに唯唯諾諾とついて行く、何も考えないでついて行くのが日本の方針であるというのが現実でしょう。気鋭の政治学者おもろ過ぎ!
2018/09/01
tecchan
永続敗戦論で著名な気鋭の政治学者による論考集。戦後レジームからの脱却を掲げる安倍内閣。実は、対米従属の強化が進み戦後レジームの強化となっているなど、現代政治を読み解くにあたり、大変参考になる。
2018/06/07
bafuken
安倍晋三の掲げる「戦後レジームからの脱却」はその内実において筆者の言う「永続敗戦レジームの純化」に他ならない。すなわち対米従属・対米依存的性格を一層強化する傾向を強く帯びているのである。その知的低劣さや、反知性主義的言動は枚挙にいとまがない。彼の愚かさは、戦後日本社会が行き着いた愚かさの象徴なのだという。読み進むほどに、現在の政治状況に暗澹たる気持ちが募る、政治時評・論考集。
2018/07/19
てっちゃん
「国体論」の萌芽となる論考集。なかなか切れ味が鋭い。 日本は近代国家なのだろうかと暗澹たる気分になる。
2018/06/09
denden
居心地の悪いレーニン的視点。旧来の左翼にありがちなレーニンの「帝国主義論」が残した大罪を未だに感じられる稀有な書ではある。今般の情勢は帝国主義にあたり歴史は止揚され革命に至ると言う、どうしようもない幼稚な情勢論は多くの左翼を誤らせ、中には週刊誌的な知識で「日本根拠地論」などを発明した者までいたが、この書はその残滓を感じさせる、非常に居心地が悪い書である。世界史で最も成功した社会主義政党・自民党に反対するには相当の力量と哲学が必要だと思うが、残念ながら著者は情勢論に振り回され、至っていないように思われる。
2018/10/12
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