千夜千冊エディション 資本主義問題 (角川ソフィア文庫)
千夜千冊エディション 資本主義問題 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
文庫版千夜千冊の21冊目で松尾嵩案には珍しく経済関連の書評集です。私も結構読んだものがありましたが、理論というよりも現状分析的な本が多いようでした。ハイエクやフリードマン、ジョージ・ソロス、のほか金子勝さんの著作があるのには驚きました。
2021/07/31
緋莢
図書館本。<資本主義を用意したのはアダム・スミスではなく、株式会社である。>という紹介文から始まるジョン・ミクルスウェイト&エイドリアン・ウールドリッジ『株式会社』。この中に、<東インド会社ほど化物じみたものはない>という文章と共に、羽田正『東インド会社とアジアの海』、永積昭『オランダ東インド会社』、横井勝彦『アジアの海の大英帝国』も紹介されており、興味を惹かれました(続く
2024/04/07
原玉幸子
『千夜千冊』は、書評なのか教養への誘いなのかが分り難く苦手です。最初、畏れ多い松岡に「知識は豊富でも本質の捉え方は弱いのでは」と感じたのですが、第三・四章以降、構想で読ませるところに感服しました。体系の違う外国語を4~6ヶ国語ぐらい話せる様になると20ヶ国語ぐらいすぐマスター出来る様になるのは、言語が何たるかが繋がっているからと聞いたことがありますが、本当の教養も知識も、あるレベルまで習得すると、後は情報の簡単なアップデートだけで向上させる努力は全く苦にならないものなのかも知れません。(◎2023年・春)
2023/04/09
p31xxx
文章における情報の密度が桁違いに高く感じた。踏破しきれない険しい山のような読書体験。相対的に、政治的党派性、いずれかの学説に立って論点を絞る経済学者的なポジショニング、読者に対して促すところ、いずれも重視をしていないような錯覚すらした。同時に、群像劇的な経済史、経済学史として面白く読んだ。「なぜ、降りられないのか」という問いに対して、異端の経済学者たちに答えを語らしめるには、資本主義はあまりに盤石で生活に染み渡っている。(著者の本を読むたび、以前より理解できていない著者の専門の「編集工学」が気になる…)
2023/06/02
Takumi
資本主義、マネー、グローバリズム。空気のように見聞きする言葉ですが、本当のところを理解しているかと問われると全くわからないとしか答えれません。あまりにも大きな仕組みなので、理解の手すりとして開いた本です。が、さらに奥深く、誰にも手がつけられない問題じゃないかという読後感を味わいました。カール・ポランニーで紹介されていた「社会に埋め込まれた経済」がぼんやりと自分にとっての手すりになりそうかと思われます。
2024/06/04
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