アンソロジー 死神 (角川ソフィア文庫)
アンソロジー 死神 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
「死神」に関するアンソロジーでコミックから落語まであって楽しめました。最初に水木しげるさんの三島由紀夫がらみのコミックがあり最後はつのだじろうさんの作品です。さらに落語家(円朝、金馬、小三治)による「死神」でこれは以前に聞いたことがあります。これの原案がグリム兄弟によるというのも「死神の名づけ親」で初めて知りました。っスペイン幻想小説集で読んだアラルコンの「背の高い女」が新訳で楽しめました。織田作之助の「死神」も初めてですがよかったですね。
2023/04/08
sin
『死者の短剣』の後に、この『死神』“メメント・モリ”死を想え…水木・コケカキイキイが三島の自決に隠された死神の陰謀を暴く!?落語・昭和の世代にはお馴染みの噺。グリム・えっ、落語の元ネタ!!織田・ボロ線とは鉄道会社に無体な表現。武者小路・説明臭い台詞回しが臭い。源氏・騙された世間知らずの認識とその彼が念ずる怨みの晴らし方に唖然!アラルコン・小山内・鈴木・してみると死神の有り様は女性なのか、しかし本邦の不吉の女性に比して彼の地の女性の気味の悪いこと…。つのだ・『恐怖新聞』ならぬ恐怖原稿、読んではいけない漫画!
2023/03/29
tomi
三島の自決をテーマにした水木しげる「死神のささやき」から始まり、読んだら死ぬ呪いの原稿をめぐる恐怖漫画、つのだじろう「死神の涙」で締める、死神をテーマにしたアンソロジー。円朝原作の二代目金馬と小三治による落語「死神」とグリム「死神の名づけ親」の並びは、お馴染みの落語の原作がグリム童話だったのかと驚き。織田作之助「死神」は線路に取り憑いて脱線させる死神の話。武者小路実篤の戯曲「死神と少女」は死神が登場しても、恋の女神のような良い神様になるのが実篤らしい。東雅夫編。
2024/01/30
ミエル
コミック、小説、落語と形式が様々なアンソロジー。テーマは「死神」、幻想小説やダークファンタジーもあれば、落語、実話怪談調の小品もあって楽しめた。グリム童話と円朝落語「死神」の近さがここまでとは…、興味深い。ドイツ文学の元ネタを江戸の処世に置き換える腕、センスの塊としか思えない。個人的には水木しげる御大は別格として、織田作之助が好み。未完なだけに、余韻が楽しい。
2023/04/30
くろばーちゃん
どれも面白かった!一気に読んでしまってはもったいないくらい。子供の頃、読書が苦手だった私にとって、いつもとっておきの作品を集めてアンソロジーを編んでくれる東さんには感謝しかない。つのだじろうは、子供の頃、横目で見ながら震え上がったのを覚えているが、今回初めて作品を読んだ。最後に収録されていたこともあり、今すごく残っている。内容もメッセージ性があって良いが、こんな形で出されると本当にこわい。織田作之助の作品も未完と記されているがここで終わっても違和感がなく、未完と記されていることで余計な想像をしてしまい怖い
2023/04/05
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