世間胸算用: 付・現代語訳 (角川文庫)
世間胸算用: 付・現代語訳 (角川文庫) / 感想・レビュー
NAO
傍題「大晦日は一日千金」。貧しい町人たちの、大晦日の借金取りから逃れるためのおもしろおかしいやりくり三段。自分さえ金を返してもらえたらいいとの考え方から、借り手に借金取りの撃退法を教える『門柱もみな借りの世』、大晦日に寺に来た三人の帰る二帰れない事情を描く『平太郎殿』など、借金取りと町民の攻防の一日には、様々な物語がある。面白おかしい話が多い中、夫婦愛を賛美しながらもどうすることもできない現実の厳しさを嘆く『小判は寝姿の夢』には、貧しい町民の悲哀が込められている。
2017/12/14
還暦院erk
図書館本。面白い!江戸期にこんなに金融業の知恵が成熟していたとは驚きだった。『日本永代蔵』も借りて読みたい!本書で一番インパクトのあった表現は、「食酒(=食事時にたしなむお酒)を飲むものは貧乏の花ざかり」(巻五より、原文ママ)。座右の銘として節酒を心がけよう(涙)。
2016/01/28
小林ミノリ
元禄時代の町人の経済感覚を軽妙な語り口で描写、ある大晦日の一日を舞台として展開、また驚くほど心性が現代と似通っていて非常に面白く読めます。
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