物語工学論 キャラクターのつくり方 (角川ソフィア文庫)
物語工学論 キャラクターのつくり方 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
緋莢
<物語(ストーリー)とはキャラクターである…少なくとも、キャラクターという観点から物語(ストーリー)の 構造と本質をよりよく見通し、その作成に役立てることは十分に可能である>では、そのキャラクターとは? 創り方は?という著者なりの答えが、この本に書かれています(著者自身、ここでいうキャラクターとは、二一世紀初頭の日本におけるキャラクター、つまり現代のキャラクターのことと断っています)典型的・根源的・本質的なヒーロー像である「さまよえる跛行者」(続く
2023/12/13
Tadashi_N
作り方より分析として読んだ。面白い。
2022/05/21
田氏
工学と呼ぶにはちょっと考察が私的にすぎるようなとか、論述がとっ散らかってたりするような、なんて気がしなくもないが、それはまあ置いといて、本論の真髄はおそらく本文よりも、類型ごとに用意されているキャラクター作成チャートにこそ集約されているように思う。既存のキャラクターをこのチャートにあてはめてみると、そのパラメータが織りなすテクスチャだとか、あるいは抽象化されたトポロジカルな本質が見えてくる…んでしょう、ものを書く人ならきっと。あたしゃ作り手側にまわる気は毛頭ないので、なかば読書案内として読みましたことよ。
2019/07/12
おおかみ
“物語とはキャラクターである(10頁)”を出発点に、「さまよえる跛行者」「塔の中の姫君」といった7つのキャラクター類型について分析する。キャラクターを主眼に置いた物語論というと独特だが、確かに物語の構造や本質に迫ることに成功していて、キャラクターをゼロから創出するためのチャートも有用。もしかしたら類書よりも使いやすいかもしれない。序章や賀東招二との特別対談で何度か言及されている、「オリジナリティ信仰」に対する懐疑も興味深い。
2013/09/22
Yuji
7つの類型パターンやっぱりよくできているなあと感動した。「さまよえる跛行者」「塔の中の姫君」「二つの顔を持つ男」「武装戦闘美女」「時空を超える恋人達」「あぶない賢者」「造物主を殺すもの」汎用性が高く、抽象化のレベルが実践的で、イメージが広がる。例示されてる小説が適切で、読書ガイド的にも有用。
2014/12/07
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