新版 好色五人女 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
新版 好色五人女 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
著者・井原西鶴は江戸時代の戯作者であり、俳人としても知られている。代表作に”好色一代男”が挙げられるが、本作”好色五人女”も彼の代表作と挙げてもよいだろう。これらの作品は”浮世草子”と言われ、前期近世文学の主要な文芸形式のひとつである。この時代は近・現代文学以前の作品のため、書式形態が現在とは趣が違う。一人称とか三人称といった形式はなく、すべてが”語り”といった形で話が進む。現在でいえば落語や講談・漫談といったものに近い。よって読んでみると韻を踏むような風情があって流れるように心地よい語感を与えてくれる。
2017/01/23
k5
八百屋お七に興味を持って、年末からボチボチ読み進めていたのですが、最終話の衆道の話が意外に面白く、帰省帰りの電車で読み切ってしまいました。気づけば年始一冊目やん。。。現代語付きですが、西鶴の原文も注釈を参照しながら楽しんで読めるくらいの日本語なので、原文にひたるのがオススメ。皮肉な人間観が好みかも知れないです。
2022/01/04
金吾
江戸時代の町人の世界がかいまみえる作品です。悲哀を感じる話や滑稽な話があり一つ一つが読みごたえがありました。「源五兵衛物語」が良かったです。
2023/11/20
かふ
坂本冬美の「夜桜お七」の原作の「八百屋お七」が入っていると知って読んでみた。江戸時代の町人文化、季節や生活が描かれていて興味深い。また業平とか小町とかの例えで美人を表現する。お七だったら業平の時代に生まれていたら見逃さなかったくらいの美人とか。ただ15,6の中学生ぐらいだから恋に一途で善悪を返り見ないのだった。たいてい女の淫乱という風に描かれているが。男も好き物という感じか。江戸の時代の方がいまより性的には自由だったということもあるらいが。男色は当たり前のようにあったようで最後は男色の男に恋した女の話。
2023/08/17
tokkun1002
初、井原西鶴さん。谷脇理史現代語訳。1686年出版。「好色一代男」「好色二代男」の素材が遊廓や売春であるのに対し「好色五人女」は現実社会の恋愛や姦通。実話をモデルにしている。お夏、おせん、おさん、お七、おまんの5人。現代を見ると死罪のヒトいっぱいいるな。
2013/11/15
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