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日本の伝説 (角川ソフィア文庫)

日本の伝説 (角川ソフィア文庫)

日本の伝説 (角川ソフィア文庫)

作家
柳田国男
出版社
KADOKAWA
発売日
2013-01-25
ISBN
9784044083052
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日本の伝説 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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HANA

子供向けということでいつもの柳田国男の文体ではなく平易な言葉で語られているが、中身の方は平易どころではなく様々な伝説や類話が収められておりとても重厚なもの。先日の「一つ目小僧」で例に挙がっていた片目の魚を始め、大師が清水を湧き出させた話や箸や石が成長する話、子供と伝説の関わり合い等、様々な伝説が日本各地から集められている。子供の頃にこういう実り豊かな伝説に触れたら、それだけでそれからの人生が豊かなものになりそうである。もちろん大人の目から見ても教えられる事が多い本であった。

2013/03/01

テツ

柳田国男が収集した全国各地の伝説をこどもに向けて紹介するという内容。本邦に伝わる数多のお話を並べてそれらを丁寧に比較検証する態度に、民俗学のみならず学問に対する姿勢はこうであって欲しいなと思う。まず好きで好きでたまらないという情熱が大切だよなあ。山に川に海に。ほんの少し前までは森羅万象の裏側に目を凝らせば人間以外の存在を見ることが誰にでもできた。今は絶滅寸前のそうした存在もこうして読み継がれている間は生き延びていられるんだろう。伝説にはその国の香りが苦しいくらいに詰まっている。

2020/01/21

寝落ち6段

自身の貴重な体験を語る人は多いけども、その土地の伝説を語る人はどれだけいるだろう。今はもう文献に収録されている形でしか存在しない伝説ばかりになっている。全国に似た伝説が残っているようだ。伝説たちを帰納的に分析すると、そこから当時の人々の願いや思いが見える。それを語り継ぐことで、例えば道徳、教訓などを教えていく。その伝説を聞くのは子どもだ。「日本は昔から、児童が神に愛される国でありました」と柳田は言う。その神たちの伝説を胸に抱いて、子どもは大きくなる。語り継がれなくなった伝説は、もう用済みなのだろうか。

2021/09/15

うえ

片目の魚「下野上三川の城がせめ落とされたとき、城主今泉但馬守の美しい姫が、懐剣で目をついて身を外堀に身をなげて死んだ。その因縁によって今でもその水にいる魚が片目だという」「遠州の海にちかい平地部では…夜分多くの火が高く低くとびまわる…天狗の夜とぼしといって、山から天狗がどじょうを捕りにくる…みぞや小川のどじょうに目のないのがいくらもいたそうで」「萩原の町の諏訪神社では…武士がやって来て…この社のあるところに城をきずくと…御神体をとなりの村に移そうとした。そうすると…大きな青大将がわだかまりのかなかった」

2015/05/20

ケー

「どれだけ日本を歩いてきたんですか」ってぐらい全国の伝説を収録。もとは子供向けなので深堀りした記述ではなくテーマごとにまとめて書かれてある。自分の地元の伝説も乗っていたので親近感を感じつつ読了。

2013/08/07

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