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桃太郎の誕生 (角川ソフィア文庫)

桃太郎の誕生 (角川ソフィア文庫)

桃太郎の誕生 (角川ソフィア文庫)

作家
柳田国男
出版社
KADOKAWA
発売日
2013-08-24
ISBN
9784044083182
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桃太郎の誕生 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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テツ

桃太郎。浦島太郎。瓜子姫。日本人にはお馴染みの昔話の数々。よくよく観察してみれば全国津々浦々に広がるそれらの物語は同じように見えても細部が全く異なっていたりする。収集と分析。物語の伝播を掘り起こしながら、その根底にあるものはなんぞやと延々と追い求める。こうして無責任に娯楽として読んでいると民俗学というものはなんて楽しいんだろうと思うけれど、情報収集と分析、現地調査がいかに地味で地道な作業かということも知っている。本当好きじゃなきゃできないよな柳田先生……。久々に他の著書も読みたくなりました。

2019/10/24

春風

表題作を筆頭に、昔話にまつわる論考を収録する。本格昔話の他にも、笑話を昔話の派生説話であるとする説の提唱や、盲坊主による昔話の口述・話芸に伴う物語の変化への影響など興味は多岐に及んでいる。その中でも桃太郎はやはり特筆されるべき昔話であり、種々の昔話との符号点などが挙げられ、何度も考察の俎上に上がっている。柳田は昔話の起源は神話にあり、それが物語として成熟する事で、今のかたちになったという考えであるようだ。昔話から神話の残渣を掬い出し、上代と時代時代の日本人の関心を顕す事を、昔話研究に期していたようだ。

2020/11/20

ゆきこ

「桃太郎」「瓜子姫」など今も広く知られる昔話や日本各地に伝わる説話を収集・分析し、その変化の過程や源流にある日本人古来の信仰を考察しようという一冊です。柳田先生の日本民俗学に対する熱い思いが伝わってきます。推論を脱しえぬ部分が多い分野ですが、昔の人がどのように物事を考え、どうやって物語が伝えられてきたのか、古に思いを馳せて考えることはロマンに溢れとても楽しいことだなぁ、と改めて実感しました。

2017/04/25

らむだ

“小さ子”の物語を中心に、全国各地の説話を収集し分析した一冊。昔話や伝説の起源を神話に求めた柳田の思想を辿ることが出来る。

2024/02/12

Ai

柳田先生が、「結論を急ぐことはよくない。もっと国内の分析・収集を」としているからなのか、はっきりした論が展開されていないのは肩すかし。でも、その姿勢は共感できるし、体系化されていないものだからこそ、残った資料を積み重ねて、俯瞰するべき。五大御伽噺も、実はひとつの話ではという推論もおもしろい(推論だけど)。でも、やっぱり物語が好きな自分としては昔話や神話に隠されたストーリーを求めてしまうのでした。

2017/01/04

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